年度報告

教育実践報告 2017年度まで

これまでの教育実践

高校家庭科では体験を大切にしたエシカル消費の授業を行っています。生きること全てに関わる家庭科の各分野の講義や実習において伝統技術職人やエシカルブランド、NGO、障がい者福祉施設等との外部連携やIT活用を積極的に行っています。さらに学びを発信することを重視しており、今までに環境展示会エコプロダクツでのステージ、エシカルな文化祭、消費者庁や環境庁などの官庁イベント、百貨店でのファッションショー、エシカル消費を発信するリーフレットや動画作成、公立小学校へのエシカルボランティア等様々な形で、社会を変えるアクションを起こしています。エシカルラーニングラボの連携研究として附属高校生が附属小学校と中学校へ訪問してのエシカル消費の授業も行っています。
平成25年・26年度の家庭科の授業は、文部科学省消費者教育推進のための調査研究授業、平成26・27・28年度の授業は科学研究費(奨励研究)に採択されています。
中学校家庭科では、平成22年度消費者庁消費者教育推進方策研究事業として、中学校家庭科での効果的な消費者教育の教育手法等に関する調査研究の授業実践を、お茶の水女子大学附属学校家庭科研究会と共同で行いました。
調理実習では、サステイナブルクッキングに取り組んでいます。オリジナルスープの作り方をショートムービーにまとめ、生徒の学びを下級生につなげるなど、ICTを取り入れた授業づくりの可能性について検討しています。
小学校家庭科では、消費分野の学習の一環として、カカオの原産国における児童労働について学びました。まず、子どもたちは「チョコレートを買うときにどんなことを気にする?」という問いで話し合いをしました。その後、エシカル消費を学んでいる附属高校の生徒が来校し、チョコレートの生産の背景にある児童労働について、プレゼンテーションを行いました。高校生の視点で作成されたプレゼンテーションや話し合いは、小学生の心に響き、消費の視点を広げることができました。

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2018年度 教育実践報告

高校家庭科

・児童労働とチョコレートについて調べた高校1年生が、附属小学校5年生に訪問授業を行いました。
・エシカル消費について学んだ高校2年生が、附属中学校1年生に訪問授業を行いました。
・エシカルブランドCLOUDYと高校1年生の商品開発を行い、アフリカで量産し東京ミッドタウン六本木のISETANサローネで販売しました。

メディア
TV  附属高校家庭科教諭葭内ありさが、報道ステーションでゲストコメンテーターを務め、番組内の金曜特集「サステイナブル・ファッション」ではスタジオ授業を行いました。
ラジオ  NHK WORLD  JAPAN   で高校のエシカルの授業が紹介され、英語他17ヶ国語で放送されました。
新聞 CLOUDYコラボ関連 メディア掲載 朝日新聞 、繊研新聞、オルタナ他

中学校家庭科

・中学1年生が、附属高等学校の生徒からエシカル消費に関して教えて貰いました。工夫を凝らしたすごろくや寸劇で楽しみながら理解を深めました。

がんばっぺしポーチ画像

がんばっぺしポーチ

・中学2年生が、3年生になってからの「がんばっぺしポーチ」作りに向けて、南三陸ミシン工房(東日本大震災で被災した女性の自立を支援する団体)の代表の方から、工房を立ち上げたきっかけや取り組み、工房の商品を購入することがエシカル消費につながることを教えていただきました。

小学校

・小学校5年生が、高校1年生の訪問を受け、児童労働とチョコレートについてのプレゼンテーションを聞くとともに、グループトークを行いました。
・高校生からフェアトレードについて教えて貰った後、フェアトレードチョコレートを用いた調理実習を行いました。
書籍
「独りで決める、みんなで決める」 NPO法人お茶の水女子大学附属小学校

2022年度 活動報告 (社会科部会)

連携研究テーマ別部会の2022年度共通テーマ「学びに向かう力」に関する報告書をまとめました。

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2021年度の取り組み エシカルラーニングラボ 

高校

  • 高校3年生が、高校1年生の時に家庭総合で行ったエシカルブランドCLOUDY の商品開発プロジェクトが完了しました。生徒の代表作品案が、アフリカ・ガーナのCLOYDY工場で商品化され、10月にCLOUDYの渋谷MIYASHITAPARKの実店舗で販売されました。開発した商品は、巾着と2WAY鍋つかみです。商品には、有志生徒グループが開発したタグ・リーフレットが添えられて販売し、活動紹介のホームページのQRコードが掲載されました。このプロジェクトは、ガーナの貧困層の女性や障がい者からなる現地スタッフ45名の雇用につながりました。売り上げの10%は、ガーナの学校教材および給食代として寄付されました。
  • 高校2年生が、附属中学1年生に、「エシカル消費」についての訪問授業をオンラインで行いました。授業の際には高校生が作った「エシカル・アクションカード」を中学生に届け、中学生よりコメントを貰いました。
  • 高校1年生が、3学期にエシカルブランドCLOUDY の商品開発と基礎縫いの授業を行いました。代表作品の商品化は来年度以降を予定しています。
  • スーパーグローバルハイスクール(S S H)のエシカルな取り組み

・設定科目必修1年家庭科「生活の科学」にて、サステイナブルを軸としながら身近な生活を科学的に捉える視点に着目した授業を行いました。サステイナブルな企業創業者や代表による講義も行いました。

・「生活の科学」を11月の公開教育研究会で全国の教育関係者に公開しました。公開した授業は学会発表したもので、家庭科教育学会誌に掲載されました。(葭内ありさ,2022年5月15日『日本家庭科教育学会誌』65(1):33-38.)

・2年必修SSH学校設定科目「課題研究Ⅰ」にて、エシカルなバイオ企業代表や、サステイナブルなアートに取り組むブラジル人バイオアーティスト・研究者による講義を行いました。(詳細は高校H Pを参照ください)

  • 高校1年生は、小学5年生へ「児童労働とチョコレート」のプレゼンテーションを作成し、訪問授業を予定していましたが、新型コロナ感染症拡大の影響で次年度春に延期となりました。
  • 2021年にオープンしたエシカルフルーツ店「東果堂」の、エシカルフルーツ試食会をエシカル・ラーニングラボのメンバーで行いました。

メディア

TV

高校の葭内ありさ教諭が監修・講師を勤めるNHKEテレ高校講座「家庭総合」で高校のエシカルな授業の様子が紹介されました。(4月〜3月,再放送)

ラジオ

高校の葭内ありさ教諭が、J-WAVE81.3FM「Ethical Wave」のゲストとして出演し、エシカルな取り組みを紹介しました。(4月17日)

雑誌・webメディア

教員養成セミナー8月号「名物先生に会ってきた」,ソトコト9月号,

政治経済系Webメディア「Japan- in Depth」(9月,10月)ほか

中学

  • 中学校3年生が南三陸ミシン工房(東日本大震災で被災した女性の自立を支援する団体)から教材を提供していただき、「がんばっぺしポーチ」を作りました。

 

  • 中学校3年生が幼稚園の暮らしの様子が綴られた写真を見せてもらってコメントを届けました。幼稚園の子どもたちに遊んでもらえるように、白い毛糸を食用色素で染めてメッセージカードと一緒に届けました。

 

  • 中学校2年生が岩手県釜石市の工場で生産されている国産さばの缶詰(サヴァ缶)を使ったレシピを考えて夏休みに家庭での調理に取り組みました。レシピを考える際には、被災地復興応援事業(東北復興応援 健康・栄養セミナー「ふれあいの赤いエプロンプロジェクト」)担当の方にアドバイスをいただきました。また、家庭での調理に取り組んだ際に見つけた自分たちにできるエシカルアクションをエシカルアクションカードとしてまとめました。サヴァ缶レシピとエシカルアクションカードを幼稚園の保護者・小学生(6年生)・高校生(3年生)に紹介してコメントをもらいました。自分の暮らしに生かすヒントをたくさんいただきました。
    教材・論文データベース『サヴァ缶クッキングでエシカルアクション探し』(公開研究会資料)

 

 

 

小学校

  • 小学校6年生が、附属中学校で取り組んだエシカルアクションカードの紹介ビデオを見て、エシカル消費の概要を学びました。その後、実際のエシカルアクションカードを読み、コメントを書きました。
  • 小学校5年生が、家庭科の授業で「食品ロス削減のためのこども戦略会議」を行いました。食品生産に携わるいろいろな人の立場から、どうすれば食品ロスを減らせるか、具体的な対策について考えました。この授業の様子は第84回教育実際指導研究会で発表しました。

小学校給食

  • 大学生が考えた、「大豆ミートを使ったドライカレー」を小学校の給食で提供しました。給食のおたより(パクパク通信)で、食の選択肢の一つに大豆ミートを入れることが地球環境の保全にもつながることを子どもたちに伝えました。

幼稚園

  • 2021年度より参加した幼稚園では、日々の保育の写真記録を共有することで、園の暮らしがエシカルであることを再認識しました。

例えば、春、園庭奥に顔を出すヒメダケでのスープ作りや初夏には梅の実での梅ジュース作り、お芋掘りでたくさん掘ったジャガイモを学内にお届けに行くこと…など、子どもを真ん中に、暮らしを丁寧に考えていくことの大切さに改めて気付かされました。

  • 園の暮らしの写真記録を中学生にも見てもらい、付箋紙に一言コメントをもらったり、中学生のエシカルアクションカードやサヴァ缶レシピを読んだ園児や保護者が感想や意見を書き込んだりなど、やりとりを重ねました。
  • 3学期に毛糸で指編みや織物を楽しんでいる園児の様子を受け、中学生が白い毛糸を染めてプレゼントしてくれました。

 

2021年度 活動報告 (社会科部会)

2021年度の本部会は、「幼小中高大の接続を意識した開発研究」をテーマに、小学校3名、中学校2名、大学教員1名の社会科に関係する教員の参加により。月に1回、火曜日の 16 時 30 分から 18 時の間、コロナ禍の中ではあったが、小学校か中学校のいずれかに集まる会合(連携研究会)を持ち、社会科についての研究を進めた。同じキャンパスにあるという近接性を存分に活かし、指導案を持ち寄って小中教員が一緒になって検討し合うなど、学校種にこだわらない自由闊達な雰囲気のもと、交流・連携を継続することができた。

今年度は、これまでもテーマとして研究を進めてきた「社会的論争問題」について、小中の発達段階や学習の連続性を踏まえ、論争的問題を通して政治的リテラシーを涵養する教材開発および社会科学習の在り方について、小中連携の観点から議論を進めた。また、附属小学校の研究主題である「てつがく」、附属中学校研究主題である「振り返り」の視点を活かし、附属学校園の社会科での学びを通した知識や考察の深まり、児童生徒の社会の見方・考え方や自身の判断基準の深まり、自身の考察を社会との関係の中で問い直すなどの振り返りが与える影響などについて考察した。

この他に、新しくなった評価の在り方や、日々の実践におけるICTの活用について様々な情報交換を行った。連携研究会の参加者が実際にICTを活用して、生徒が作成した成果物を提示したり、校種を超えて相互に評価したりする活動も行った。また、公開研究会での研究授業の検討や分析、附属小学校から附属中学校に進学した児童生徒の9年間での社会科の学びの深まりや変化についての追跡調査や分析、情報交換もこれまでと同様継続して行った。具体的には、中学校3年生が作成した第二次世界大戦に関するレポートの分析をした際には、戦争というものに対する多面的な認識の広がりや、平和の概念の深まりについて見取ることができた。また、中学2年生の地理学習(中国・四国地方)の学習で生徒が作成した町おこし・村おこしプランの作品を社会科部会の教員全員で一緒に評価した際には、教員の所属する学校段階の違いによって、評価規準の設定の仕方も異なってくることを互いに実感を伴って認識することができた。また、いずれの活動においても、長期的なスパンでの思考力・判断力・表現力、資料活用の技能の高まりの様子を見取ることができ、先の成長も見通して指導するという視点を得ることができた。

理科部会 テーマ 探究力を育む”つなぐ”理科教育~ふしぎ発見・感動!!

幼小中高大の接続を意識した開発研究(2022年3月) より抜粋

上記報告書内の「理科部会特別報告」、第3期中期計画「幼小中高大の接続を意識した研究開発」に関する報告書 ”科学する心を育てるオールお茶の水の理科教育連携研究理科部会(令和4年3月9日)” についてもご参照ください。

 

【2021 年度の活動】

第1回(2021 年 4 月 13 日)@附属中学校理科室
➢ メンバー確認,自己紹介,役割分担。
➢ 一人一台の PC 活用例の情報交換(附小,附中)
➢ 一人一実験「ダニエル電池と回路カード」の紹介(SEC)

第2回(2021 年 5 月 11 日)@附属中学校理科室
➢ 微生物培養方法についての情報交換(附中,附高,附小,SEC,大学)
➢ 模型「昆虫の体のつくり」紹介(SEC)
➢ 荒木健太郎著『空のふしぎがすべてわかる!すごすぎる天気の図鑑』紹介(附小)
➢ 中1「初めての探究の授業~色々な生物とその共通点~」紹介(附中)
➢ 「観点と基準」「探究力育成」についての意見交換(附小,附高,大学,附中)

第3回(2021 年 7 月 6 日)臨時休会

第4回(2021 年 9 月 7 日) オンライン
➢ 11 月 20 日の公開研究会(オンライン)について(附高)
➢ 課題研究基礎(高1対象)についての紹介(附高)
➢ 課題研究II(高3対象)で,生徒が日本動物学会にてポスター発表(附高)
https://www.fz.ocha.ac.jp/fk/report/ssh/2021/d009833.html
➢ 生き物コレクションアプリ「BIOME」の紹介とアイデア募集(SEC)
➢ 11 月 6 日サイエンスアゴラで「減災プロジェクト」をテーマにオンラインセッシ
ョンを行う予定(SEC)
➢ 海洋教育に関するプログラム(海辺でのマイクロプラスチック調査,生分解性プ
ラスチック開発のカネカ,北海道石狩教育委員会などとの連携)の紹介(SEC)
➢ 長野市でクマゼミを扱った出前授業の実践(SEC)
➢ 遺伝関係の出前授業の実績は,コロナの影響で 1 学期 1 回のみ(遺伝 CC)
➢ ヒューマンライフイノベーション研究所で作成したQ&A集を活用した授業を附
属の保体教諭らと実践中(遺伝 CC)
➢ 文京区での科学教室,オンラインで手応えあり(基幹研究院)
➢ 明治期から現在までの理科の教科書調査を実施,結果は後日報告する。(東家大)
➢ 9 月 20 日日本理科教育学会で附小での実践を発表する予定(岩手大)
➢ モジホコリカビの教材化について紹介(附小)
➢ マイクロレンズでタブレット顕微鏡を開発(SEC)
➢ 理科教材データベースの充実について報告(SEC)

第5回(2021 年 11 月 2 日) オンライン
➢ 中期目標「附属と大学との連携」を視点に連携研究理科部会の成果をまとめる。
➢ 堀七蔵先生『容易くできる理化学実験』を中心に,附属の理科教育における「科
学する心を育む」姿勢や実践例を入れ込む方針(大学)
➢ 「銅貨が落ちる」「繭玉ころころ」などの物理実験紹介(附小)
➢ SEC から教材を借りて授業実践(附小)
➢ 附属中公開研究会での公開授業は「条件反射」をテーマに実施(附中)
➢ 附属高公開研究会ではSSH学校設定科目を紹介予定,講演会は上野千鶴子先生
をお招きして「女性リーダーは何を変えるか?」というテーマで全校生徒に対し
て行った様子を配信予定(附高)
➢ 筑波大附属高校と連携したキャリア教育の一環として瀬尾拡史博士によるキャリ
アフォーラムを実施予定(附高)
➢ 「竹とんぼと飛行機」の授業実践について(SEC)
➢ サイエンスアゴラで減災プロジェクト「災害時の困り事,平時から出来る事」を
テーマにオンラインでセッションを行う予定(SEC)
➢ 子ども保育所で体験実験実施(SEC)
➢ ヒューマンライフイノベーション研究所作成のQ&A集を活用した授業研究を附
属の保体教諭らと実施し、「発達」「生活習慣病」「感染症」などをテーマに計画
をしている。(遺伝 CC)
➢ 3 月 27 日「ガン教育」に関するシンポジウム開催予定(遺伝 CC)
➢ 教職実践演習の学生さんと附高の公開研究会に参加したい。(岩手大)

第6回(2021 年 12 月 14 日) オンライン
➢ 中期目標「附属と大学との連携」を視点に連携研究理科部会の成果をまとめる。
➢ 小学校と中学校の天体学習についての意見交換(地上からと宇宙からの視点変更
が難しいので「神様の視点」として宇宙からの視点を考えさせている(附小)
視点変更は中学でも難しい,以前中 1 にあった天体の単元が現在中 3,それでも
難しい(附中) 区立の研究会で見た天体に関する指導案が小も中も変わらない
(SEC)
➢ 11 月 20 日の公開研究会の報告(附高)
課題研究Iの基礎となるよう,教科横断的な内容を考案・実践(附高)
https://www.fz.ocha.ac.jp/fk/menu/study/research-meeting-2.html
➢ 「災害時でも途切れない教育」の一環として 11 月 22 日に福島の小 3 対象に出前
授業実施。小学校の風の単元で風車をつくり小型風力発電をつくる授業(SEC)

第7回(2022 年 1 月 18 日), オンライン
➢ 中期目標「附属と大学との連携」を視点に連携研究理科部会の成果についての原
稿確認。

第8回(2022 年 2 月 22 日) オンライン
➢ 課題研究II(高3対象)で実施している研究と活動の紹介(附高)
愛媛県立松山南高等学校との「未来の女性研究者交流発表会」を開催
https://www.fz.ocha.ac.jp/fk/report/ssh/2021/d009864.html
東京都内 SSH 指定校合同研究発表会および教員研修会にて国立代表校として本校
が発表
https://www.fz.ocha.ac.jp/fk/report/ssh/2021/d009883.html
「ブルーベリー発電と電解液~色素増感型太陽光電池~」第 12 回坊っちゃん科学
賞研究論文コンテスト優良入賞を受賞
https://www.fz.ocha.ac.jp/fk/report/ssh/2021/d009959.html
➢ 附属小の公開研究会(オンライン)についての報告と参観者からの感想等(「探
究する空間 ヒト・モノ・コト」をテーマに,「温度と体積変化」の授業を実施,
事前に見てもらった上での協議だったため,活発な意見交換が行われたこと,探
究学習の肝である「問を共に創る」ことがなされていたことなど。)(附小,SEC,
基幹研究院)
➢ SEC の取り組み(文京区中学生対象に対面授業で「ホタルの光るしくみと衛生検
査」を実施,アメリカ補習校対象に4回シリーズで理科の実験をオンラインで実
施中,2月 16,17 日,大学生対象に防災・減災ワークショップを対面で実施,海
藻押し葉の授業を対面で北区小 5 対象に実施)(SEC)
➢ 中期目標「附属と大学との連携」を視点に連携研究理科部会の成果のまとめにつ
いて(各附属,各立場を維持しながら「やってみよう」の気持ちをかき立てるし
かけが共通してあると考えている。それらが出せるとよい。)

(3)「幼小中高大の接続を意識した開発研究」に関する本部会の成果

 

【2021 年度の成果】

連携研究理科部会は,附属幼稚園長である理学部化学科教授1人,附属小学校3人・中
学校3人・高等学校3人の理科教諭と,本学サイエンス&エデュケーションセンター
(SEC)から5人,本学遺伝カウンセリングコースから1人,基幹研究院から研究員1人,元附属小学校教諭(4 月より岩手大学教育支援センター所属)1人,以前から本部会に所属する関係者(東京家政学院大学所属)1人が集い,各校種および部署が関係する理科授業の実践および研究報告,共通の教材開発,学会や研究会での発表,地域での活動等を行っています。

1.中期目標「附属と大学との連携」を視点に連携研究理科部会の成果をまとめる。
附属幼稚園長であり,本部会のメンバーである本学化学科の森義仁教授が中心となっ
て,堀七蔵先生『容易くできる理化学実験』の著書を中心に,各附属・各部署における連携研究理科部に所属する全員の理科教育における「科学する心を育む」考え方や姿勢,その実践例を出し合い,共有しまとめた。

2.授業実践・活動報告
① 小学校
・2021 年度公開研究会(2022 年 2 月 19 日:授業を事前配信,当日理科部提案および協議)

田中:理科部提案「探究する空間(2 年次)」

草野:6 年「太陽と月」実践発表

杉野:4 年「物の温度と体積」授業配信および実践発表
② 中学校
・2021 年度公開研究会(2021 年 10 月 29 日:授業概要を事前配信,当日協議)
前川:中学2年理科「条件反射」(教科ワーキンググループ)
山本:(ICTワーキンググループ)
薗部:(教科横断ワーキンググループにて自主研究について発表)
③ 高等学校
・2021 年度 SSH の活動報告
・2021 年度公開研究会(2021 年 11 月 20 日:授業概要を当日オンラインにて配信,当日協議)山本,松林,朝倉:1 年必修課題研究基礎(SSH 学校設定科目)「3展開授業-グラフ」の授業配信・実践発表および SSH 設定科目についての協議
④ サイエンス&エデュケーションセンター
・教材提供や授業支援など附属小・中学校との連携を実施した。
2021 年 6 月 附属中学校 3 年生 ダニエル電池
2021 年 6 月 附属中学校 3 年生 水圧実験装置
2021 年 10 月 附属小学校 4 年生 筋肉模型
2021 年 12 月 附属小学校 4 年生 星のうごき
2022 年 1 月 附属中学校 3 年生 放射線
2022 年 3 月 附属中学校 1 年生 ホタルの光と酵素反応
・日本財団「海と日本プロジェクト」に参画し,東京都内を中心に全国の小中学校における海洋教育実施の支援を行った。具体的には,株式会社なとりと連携して,北区海藻おしばコンテストを実施したり,海洋プラごみについて理解を深める出前授業を実施したりした。
・その他全国の連携地域とオンラインや現地で,教員研修や授業支援・出前授業などを行った。
⑤ 遺伝カウンセリングコース
ヒューマンライフイノベーション研究所「Q&Aシリーズ」の教材化を担当。
附属高校 2 年「課題研究I 生命科学」遺伝カウンセリングの講師を担当。

3.学会発表等
2021 年度:日本子ども学会第 17 回(オンライン発表)
「ICT を活用して子どもの科学的概念を育む物語創作ワークショップの開発と実践」.
〇大崎章弘,末松加奈,後藤郁子,井上知香
2021 年度:生物教育, 63(1), 2-9, 2021(論文発表)
「中学校・高等学校における「ヒトの遺伝」教育の実施に関する研究―中学校・高等学校教員と臨床遺伝専門医の関心の相違―」
〇木村緑,佐々木元子,三宅秀彦
2021 年度:日本遺伝カウンセリング学会誌 42: 39-49, 2021.
総説「中等教育の教員経験のある認定遺伝カウンセラーからみた「ヒトの遺伝」リテラシー.」
〇佐々木元子
2021 年度:日本理科教育学会第 71 回全国大会(オンライン発表)
「コロナ禍における内陸地域の海洋教育授業支援~海水を活用する個別実験キットの開発~」
○里浩彰,千葉和義
「マイクロスケールでのダニエル電池実験と回路カードの活用 減災どこでも理科実験パッケージの開発と検証」口頭発表
〇貞光千春,榎戸三智子,山本江津子,星野由佳,大﨑章弘,里浩彰,竹下陽子,千葉和義
「減災どこでも理科実験パッケージの開発と検証 「電気の利用」のための回路カードを活用したプログラミング教材の開発」口頭発表
〇大﨑章弘,貞光千春,榎戸三智子,里浩彰,竹下陽子,千葉和義「減災どこでも理科実験パッケージの開発と検証 中学校1~3年生の理科実験教材」
口頭発表
〇榎戸三智子,貞光千春,大﨑章弘,里浩彰,竹下陽子,渥美恵子,千葉和義
「ICT 機器を用いた博物館・科学館等の活用 防災普及啓発施設との連携を通したプログラム開発と実践」口頭発表
〇竹下陽子,渥美恵子,大場玲子
2021 年度:第 9 回全国海洋教育サミット(オンライン発表)
「コロナ禍での内陸地域における海洋教育実践支援 」
〇里 浩彰, 榎戸三智子
The 4th Asian Congress of Protistology -internet 2021, November 19th-21st
「The workshop of mobile microscopes for children」口頭発表
〇Yoko Takeshita

4.地域での活動
⚫ 「デジタル科学コミュニケーション教室」
実施日:2022 年 3 月 29 日(対面での予定)
会場;文京区教育センター《文京区科学教室》
対象:幼児と保護者対象
指導者:〇大﨑章弘 (補助:末松加奈,後藤郁子,他 1 名)
⚫ 2021 年度 夏休み子どもアカデミア 「マイ海藻カードを作ろう!」
実施日:2021.7.29
会場:お茶の水女子大学
対象:文京区在住の親子 12 組
指導者;里浩彰
2021 年度は,中期目標「附属と大学との連携」を視点に連携研究理科部会の成果をまとめた。その際,附属幼稚園長の森義仁教授が園長室で手にとった堀七蔵先生の著書『容易くできる理化学実験』を中心に,メンバーの理科教育における「科学する心を育てるために大切にしていること」や,「接続を意識した実践例」を出し合うことができた。このような作業を通して,理科教育への思いについて相互理解を深め,改めて理科教育で「やってみよう」から始まる「探究」の大切さを認識し合った。加えて,お互いのつながりを一層強めることができた。この強いつながりを礎に,お茶の水の理科教育をますます発展させていきたい。

 

テーマ:「小中高大の接続を意識した開発研究」     2021年度報告 子どもの心とからだの発達部会

子どもの心とからだの発達部会

部会長 附属幼稚園 渡邉 満美
附属幼稚園 杉浦 真紀子
附属小学校 江部 紀美子
附属中学校 近藤 久美子
附属高等学校 土方 伸子
附属高等学校 増田 かやの

(1) 本部会の課題
本部会では、子どもたちの学校生活の様子や支援の必要な場面、背景となる要素などの情報を共有しながら「幼稚園から高校まで子どものからだとこころの発達を支える視点とは何か」ということを、様々な視点からアプローチすることで探っていきたいと考えた。
キーワード: 発達段階、支援、健康課題、生活習慣(食・睡眠・生活リズム)、メンタルヘルス 適時性 ・マインドフルネス ・メンタルケア・レジリエンス

(2) 本部会の取り組み
本部会は2016年よりはじまり、メンバーの構成に変更はあるものの、養護教諭が中心となり、学級担任、栄養教諭等も加わりながら、幼小中高の教員で部会は構成されている。以下は各年度の取組の中心について記載する。詳細はホームページに掲載する。
2016年、取組の当初は、学校保健に関係の深い養護教諭の他、栄養教諭や学級担任などがいることから、子どもの心をからだ、食事、メンタルヘルスなど、生活の視点から見ていくことが自然と行われ、子どもの姿を中心に、子どもと関わる中で気になっていることについて、語り合った。話し合いの視点は、「食」「疲労と睡眠」「存在感の少ない子どもとは」「孤立しがちな子どもの様子、支援について」等である。幼稚園から高校までの教員がいることから、話し合いの最後は発達を見通す視点についても話し合った。子どもの様子を語り合うことから、子どもたちが見せている姿は、子どもたちの生活と切り離せないということが分かった。また、子どもの姿の背景にある、睡眠・食事・友達関係は、発達を支える視点としてこの先も継続して話し合わなくてはいけないことを確認した。
2017-19年、昨年話し合った睡眠・食事・友達関係の中から、子どもたちの活動の原動力となる、睡眠に重点をおき進めた。これまでの睡眠の実践例を検討し合うことなども行った。睡眠行動から望ましい生活習慣を自律的に行うことができる子どもの育成を目指し、 子どもたちから「睡眠時間を削ってでも大切なことはあるのか?」という問いを大人たちへ問い直す機会を作り、子どもたちの学びを家庭へ波及させる効果をねらうことを考えた。現代の大人社会において、軽視されがちであった睡眠をあえて話題にすることで、睡眠に対する大人の意識も変えたいと考えた。幼稚園では、保護者に睡眠のアンケート調査実施、小学校では自分の生活リズムを見直す視点から、子どもたちとの学習の場をもった。高等学校においては、入学時には勉強についていけるかの焦り、大学受験時には睡眠時間減らしてでも勉強しなくてはという焦り、不安要素からくる生活リズムの乱れが子どもの姿から見られていた。アンケートを行い、実態調査を行った。以下に睡眠に関して取り組んできたこれまでの実践事例を掲載する。
睡眠に重点を置き、子どもの生活に着目した研究を進めてきた。望ましい生活習慣を身につけていくためにも、生活習慣のデータを振り返ることの大切さもあるが、子どもたちにとって自覚を促すような方法で、自分の生活習慣が変わっていく方法を取り入れて進めていきたいと話し合われた。

実践事例)附属校園で過去に取り組んできた睡眠にかかわる学習
①幼稚園 「ねるのきもちいい?」(指導者 養護教諭 渡邉満美)
【内容】子どもたちが眠りについて興味をもち、眠りの気持ちよさを感じることができるように、自由な保育の中で絵本を用いてやりとりを進める実践を行った。同時に、保護者が睡眠について考えるきっかけになるために配布した「保健だより」を資料として掲載。
「保健室のまなざしからとらえた健康教育 ~未来を担う子どもたちにつけたい力・育てたい力~」
P26~P29 全国国立大学附属学校連盟 養護教諭部会・編 東山書房

②小学校 第3学年 保健「すいみんのひみつ」(指導者 養護教諭 江部紀美子)
【内容】「毎日のけんこうと生活」の学習で、一日の生活を振り返らせる授業を行った後、さらに睡眠に重点を置いた授業を行った。何時に就寝したのかはあまり問題ではなく、何時間眠れていれば大丈夫だと考えている子どもたちが多かった。よい睡眠とは、睡眠時間の長さだけではないことを説明した上で、睡眠不足になると、食欲や集中力の低下、疲れやすくなる、イライラしやすくなることを自分たちの経験から結びつけて考えさせた。また、よく眠ることで、体の疲れをとり、心が落ち着く、記憶を整理する、成長ホルモンが出る、病気から体を守ることを説明した。さらに、よりよい睡眠にするための方法や、朝すっきり目覚めるための方法について、子どもたちと共に考える実践を行った。

③高校 第1学年 保健科「睡眠と脳の健康」(指導者 養護教諭 増田かやの)
【内容】「睡眠・休養と健康」の学習で、睡眠リズムの大切さや睡眠が体のメンテナンスだけではなく心の健康にもかかわることを学習した。質の良い睡眠をとるために何が必要なのか、各自の現在の生活行動を含めて振り返る機会とした。
2020年度、学年の始まりに新型コロナウイルス感染症対策による一斉臨時休業が行われるなど、一時的ではあるものの、子どもたちの現状が見えない期間ができた。同時に子どもたちの家庭の状況も見えなくなった。一斉臨時休業の期間は、普段学校に来ることのできなかった子どもたちにとって、誰もが学校に行くことのできない安心できる時間となった。その一方で、普段学校に来ることで安定が保たれていた子どもたちのメンタルヘルスについても目を向ける機会となった。学校に来ることで安定の保たれていた子どもの背景には、家庭の問題が潜んでいること等が浮かび上がった。子どもたちが不安、心配を抱えた時、自分たちでどのように解消したり、対応したりしていくかということが浮き彫りになった。また、誰かに助けを求めることの必要性も子どもたちに伝えていきたいことを共有した。改めて子どもたちの自己肯定感について皆で話し合う機会につながっていった。それらのことから、自分自身を自分で助ける、セルフケアや、マインドフルネスについて学ぶ機会をもつ必要性を感じるようになった。セルフケアやマインドフルネスの概念は、特定の子どもたちが必要なものではなく、誰にでも必要であることが共有された。  コロナ禍において、学校と子どもの生活が分断され、家庭での生活が見えにくくなった。子どもも同様に学校や友達とのつながりを感じにくくなったと思われる。現在の状況からも、教師は子どもの生活を分断するのではなく、より繋げていく意識を持つことが大切であると考えられる。
2021年度、心のセルフケアなどのメンタルヘルスにかかわるアプローチについて、子どもたちとの学びや保護者への啓発の質を上げていくために、部会のメンバーで学ぶ機会を設けた。お茶の水女子大学の橋本有子先生にご協力いただき、ソマティクスという概念について研修をした。ソマティクスとは「全体性のある生きるからだ(living body=soma)を内側から捉え、からだのAwarenessや他者を含む環境との相互関係に目を向けていく実践や研究領域<T.Hannaの定義をもとに解釈>」という概念である。また橋本先生とは、高校生や中学校と連携し、保健体育科の授業や放課後活動の時間を使ってヨガを主においたレクチャーを行った。体を動かしながら、まずは自分の体の感覚を知る、呼吸を意識するという時間をもつことが、これまでもメンタルヘルス教育で取り上げてきたマインドフルネスを理解する一助になると考えた。マインドフルネスの「『今、この瞬間』を大切にする生き方」は理解できても、集団で生活する学校という場では、自分だけに目を向ける時間は難しい。そのため、自分のからだに目を向ける時間を確保して体感できることを期待し、今後も継続して実施していきたい。また、昨年度から検討実践してきたメンタルヘルス教育の必要性と学校園全体で取り組む「横(教科間)」と「縦(発達段階)」を意識したカリキュラム編成について、養護教諭関東地区会において「発達段階に沿ったメンタルヘルス教育の実践」と題して、発表した。
昨年に引き続き、教師が子どもたちの生活に思いを馳せること、繋げていく意識を持って学びの機会をもつことの重要性を共有してきた。中学、高校の実践を見通し、小学校、幼稚園がどのように繋げていくかは課題である。しかし、小学校、幼稚園はその種まきの時期であることは確かであり、保健だよりでマインドフルネスという言葉に触れたり、教科の保健学習の中で取り上げたりするなど、教師が繋げていく意識を持つことで、中学、高校といったその後の発達段階で自分に必要なときに、再びクローズアップされ、新たな情報とともに各自の中に吸収されて活用されていくこととなると考える。

(3) 本部会の成果発達を支える視点について、様々な視点から子どもの姿を見てきた。これまで、からだや心、食、睡眠、人間関係(親子関係含む)などに焦点を当ててきて感じたことは、子どもの特性や生活、背景を丸ごと見ていく重要性である。昨今は新型コロナウイルス感染拡大防止対策により学校園閉鎖が行われた期間があったことなどもあり、子どもたちの閉塞感は増していると考える。このような現状下、なかでも子どもたちのメンタル面についてもこれまで以上に厚く支援しなくてはいけないと考える。また同様に保護者のメンタル面を支えなくてはいけない状況も感じる。そしてその支援の方法としては、子どもたちのメンタルヘルスをアセスメントに限らず、予防に力を入れる必要性が高いと考える。子ども自身の自己肯定感を自分で助ける、友達と助け合える、気にかけあえることの必要性を感じている。また、メンタルヘルスに係る教材化を進めていくことについて、発達段階に合わせて実施する内容を吟味して、スパイラルに学ぶ機会を意識的に設けることで、子ども一人ひとりに合った習得機会を逃さず、身につけていくことにつながっていくと考えている。カリキュラムについては、現段階ではこれまでの実践の履歴を記載するかたちで構成しはじめている(図2)。今回のようなメンタルヘルスに関する取り組みについては、その時期の子どもたちの様子をよく知る教師とで連携して、学ぶ時期や内容を見極める必要があると思われる。そのため、実践の履歴や積み重ねをもとに目の前の子どもに応じて取捨選択する選択肢とするためのものとした。また、実践の履歴であることは、高校は中学校の学びを引き継ぎ、中学校は小学校の学びを引き継ぐといった、教師間の連携に大きな役割を持つと考える。

参考文献等
◯三池輝久(2016)「小児慢性疲労症候群とは」,『教育と医学』2016年6月号,p58-67,慶應義塾大学出版会 ◯根本橘夫(2016)「現在の子どもたちの「過敏」の問題」,『児童心理』2016年2月号,p12-18,金子書房 ◯藤井靖(2016)「不登校の子どもの過敏さ」,『児童心理』2016年2月号,p55-61,金子書房 ◯林隆・平中健也(2014)「決まって給食を食べ残す子への指導」,『算数教科書教え方教室』2014年12月号,p66-67,明治図書 ◯伊藤直樹(2015)「生活リズムが乱れると何が問題か-睡眠リズムの乱れと心の成長・発達」『児童心理』2015年6月号,p12-18,金子書房 ◯高宮静男/河村麻美子/石川慎一/大谷恭平/植本雅治(2015)「子どものメンタルヘルスと心身症」『心身医学会誌』Vol55 No12,p1323-1328,心身医学 ◯おおたとしまさ(2015)「追いつめる親『あなたのため』は呪いの言葉」 毎日新聞出版 ◯増田かやの(2018)「シークレットフレンド-秘密の親切行動-」『児童心理』2019年1月号,p90-96,金子書房 〇「『レジリエンス』を育てる本」藤野 博 (監修), 日戸 由刈 (監修) 講談社 (2015) 〇「子どものためのマインドフルネス」キラ・ウィリー (著), アンニ・ベッツ (イラスト), 大前 泰彦 (翻訳) 創元社 (2018) 〇「10代のうちに知っておきたい 折れない心の作り方」水島広子著 紀伊國屋書店 (2014) 〇「ルポ教育虐待 毒親と追いつめられる子どもたち(新書版)」おおたとしまさ著 ディスカヴァートゥエンティワン (2019) 〇「不安や悩みへの対処としての呼吸法」東京有明医療大学 学長 本間 生夫 https://www.kobun.co.jp/Portals/0/resource/dataroom/magazine/dl/hoken97.pdf 〇「セルフケアの道具箱 ストレスと上手につきあう100のワーク」 伊藤絵美 晶文社(2020) 〇こころの健康副読本編集委員会編「中学校保健体育副読本『悩みは、がまんするしかないのかな』」https://psycience.com/pdf/kokorobookre.pdf 〇参考APP「メイスーン」LAVA提供

 

幼小中高大の接続を意識した開発研究(2022年3月) より抜粋

「幼小中高大の接続を意識した開発研究」に関する      2021年度 外国語活動・英語部会の取り組み

設定した課題に関して、小中高の各附属校が行っている取り組みについて、実際の授業のビデオや教材、児童・生徒の成果物を見せながら紹介し、議論を行った。

5月11日 [高校]
高校全体のカリキュラム、2年生オリジナルスキットを演じた授業実践、3年生英語俳句を作成した授業実践、SSHに関連した授業実践、ケンブリッジ英検

6月8日 [小学校]
異文化理解を促す言語活動、帰国児童学級と一般学級合同授業での取り組み、5年生「月の名前」の授業実践、6年生「can/ can’t」の授業実践

9月7日 [中学校]
公開教育研究会発表内容(「there is/are)の授業実践)、生徒の振り返りについて、エッセイライティング授業実践、音声重視の授業実践

11月2日 [高校]
ケンブリッジ英検面接に関連した授業実践、全附連発表報告(英語の多様性)、公開教育研究会発表内容(プレゼンテーション授業実践)

12月14日 [小学校]
4年生お茶大留学生との交流実践(自己紹介)、6年生お茶大留学生との交流実践(日本について伝える)

1月18日 [中学校]
2年生readingをwritingにつなげる授業実践、3年生ICTを活用した授業実践(観光パンフレット作成)、ビンゴと歌の指導

2月22日 総括

幼小中高大の接続を意識した開発研究(2022年3月) より抜粋

 

2020年度の取り組み エシカルラーニングラボ

高校

  • スーパーグローバルハイスクール(S S H)学校設定科目必修家庭科「生活の科学」にて、サステイナブルを軸としながら身近な生活を科学的に捉える視点に着目した授業を行いました。 (詳細は高校H Pを参照ください)
  • 児童労働とチョコレートについて調べた高校1年生が、附属小学校5年生に訪問授業を行いました。小学生から感想や質問のお便りが届き、高校生がお返事を送りました。
  • エシカル消費について学んだ高校2年生が、3学期に附属中学校1年生にビデオレターを作成しました。中学生が春休みに考えたフィードバックを、高校3年生が4月の授業で受け取りました。
  • 高校1年生全員が3学期の家庭総合の授業でエシカルブランドCLOUDYの商品開発を行いました。優秀作品3点が選ばれ、アフリカ・ガーナの、CLOUDYの工場で量産され、東京で販売予定です。本プロジェクトでは、現地で貧困層の女性や障がい者の方の雇用を生み、売り上げの一部がガーナの教育支援に使われます。
  • メディア
    >高校の葭内ありさ教諭が監修・講師を務めるNHK高校講座「家庭総合」の講義で、附属高校2年生がエシカルな服を製作する授業の様子が紹介されました。

NHK高校講座 家庭総合 第30回「ふくを着るのはなぜ?」

 >高校の葭内ありさ教諭が、朝日新聞「はなまる先生」で取材いただき、高校2年生のエシカル・ファッションの授業が紹介されました。

N朝日新聞全国版朝刊 12/7(火)

  • 出版物
 消費者庁のエシカル消費啓発リーフレットを高校の葭内ありさ教諭が監修しました。
 葭内ありさ監修「みんなの未来にエシカル消費」 消費者庁 (2020年11月)
(お茶の水女子大学附属学校園 教材・論文データベースよりダウンロードできます)

中学校

  • 中学3年生が南三陸ミシン工房(東日本大震災で被災した女性の自立を支援する団体)から教材を提供していただき、「がんばっぺしポーチ」を作りました。
  • 中学校2年生が岩手県釜石市の工場で生産されている国産さばの缶詰(サヴァ缶)を使って、オリジナルレシピを考えました。被災地復興応援事業(東北復興応援 健康・栄養セミナー「ふれあいの赤いエプロンプロジェクト」)担当の栄養士の方にレシピを見ていただき、一部のレシピをお便りや動画サイトに紹介していただきました。
  • 中学1年生が、附属高等学校の生徒からエシカル消費についてビデオレターで教えて貰い、自分たちにできるエシカルについて考えました。

 

小学校

  • 附属小学校では、2016年度から、毎年、小学生と附属高校1年生の交流授業を行っています。初年度は、6年生と高校1年生との交流でしたが、次年度からは、5年生と高校1年生が交流しています。      
  • チョコレートの原料、カカオの生産の背景にある児童労働をテーマに、オンラインでの交流を行いました。代表の高校生が全体の前でプレゼンテーションを行った後、小学生から質問をしたり、高校生が答えたりして、共に考える時間をもちました。授業後には振り返りの手紙を交換しあいました。

給食

  • 小学校では、家庭科の学習と関連させた給食を出しました。フェアトレードチョコレートを使った「ツイストチョコパン」(チョコレートコーティングパン)を取り入れました。
  • 附属中学校や附属高校でも、小学校で使用した給食のおたより(パクパク通信)やパンのレシピが生徒に紹介されました。

 

左図:小学校のレシピです。

小学校、中学校、高校のMoodleに掲載しました。

※Moodleとは、大学、高校、中学、小学校、幼稚園が使用するオンライン学習支援システムです。

 

 

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2020年度活動報告(理科部会)

連携研究理科部会は、附属幼稚園長である理学部化学科教授1人、附属小学校3人・中学校3人・高等学校3人の理科教諭と、本学サイエンス&エデュケーションセンター(SEC)から5人、本学遺伝カウンセリングコースから1人、基幹研究員1人が集い、各校種の理科授業の実践報告、共通の教材開発、学会や研究会での発表、地域での活動等を行っています。また、理科部会のテーマ「探究力を育む“つなぐ”理科教育~ふしぎ発見・感動~」をもとに、児童・生徒の探究力育成に着目して、探究力を段階的に育成するための方法を模索しています。

 

1.各校におけるコロナ感染予防対策やコロナ禍での授業の具体的方法の情報交換

・プリント配布や回収の方法

・遠隔学習での課題配信や授業配信の方法

・おうち実験の具体例

・教室での実験の具体例

・理科室での実験の具体例

 

2.授業実践・活動報告

① 小学校

・2020年度公開研究会(2021年2月20日実施、オンライン)での研究テーマ説明、授業報告

*理科部協議会は1時間
草野:小学5年実践報告「ふりこの動き」、全体の会の運営担当(機器操作の担当)

田中:司会担当*サバティカル中

増田:小学4年実践報告「ものの温度と体積」、理科部理論編説明

里先生(お茶の水女子大学):共同研究者

寺本貴啓先生(國學院大學):コメンテーター

 

・「探究する空間」

社会情意的スキルとメタ認知スキルを育みながら、探究を続けていく子どもの育成を目指し、子どもを取り囲む環境である空間に着目し、「探究する空間」を研究テーマとした。子どもたちが理科の授業で探究活動をしている空間と言えば、教室であり実験観察室である。その空間には仲間や教師というヒトが存在し、さらに実験器具などのモノが存在し、そして自然の事物現象というコトが存在している。ヒト・モノ・コトが存在している空間である。この空間の中で子どもたちは思考を働かせて問題を見いだし、実験方法を考え、仲間と対話しながら問題解決を図っている。このような一連の学びは子どもを取り囲む「空間」で行われていると考える。どのような空間を目指すべきなのか、ヒト・モノ・コトが子どもに与える影響、子どもがヒト・モノ・コトに及ぼす影響などについて実践を通して研究していく。

 

② 中学校

・2020年度公開研究会の報告(2020年10月24日~web上で公開)

前川:中学1年 遠隔学習「生物の観察」

山本:中学2年 対面学習「気温が20℃も違うバレンタインデー」

薗部:中学3年 対面学習「電池の条件調べをおうち実験で」「イオン化傾向を教室実験で」

薗部:遠隔学習に関する教員(中学校)アンケート結果分析の報告

 

③ 高校

2020年度SSHの活動報告

・授業実践事例

「課題研究基礎」(学校設定科目,1年必修)

「課題研究Ⅰ【地球環境科学,生命科学,暮らしの化学】」(学校設定科目,2年必修)

・生徒活動事例

「生物基礎」(2年必修)(:第13回高校生バイオコン優勝、第14回バイオものコン優勝・社会貢献賞・審査員特別賞受賞

https://www.fz.ocha.ac.jp/fk/report/ssh/2020/d009421.html

 

④ 遺伝カウンセリングコース

ヒューマンライフイノベーション研究所で「Q&Aシリーズ」を作成。

附属高校2年「課題研究Ⅰ 生命科学」遺伝カウンセリングの講師を担当。

 

3.学会発表

2020年:日本理科教育学会第70回全国大会(岡山大会:誌上発表)

「学習指導要領に沿った海洋教育授業の開発と検討~第3学年『身の回りの生物』における海藻観察の導入~」

〇里浩彰、秋葉典人、千葉和義

 

2020年度:日本理科教育学会第70回全国大会(岡山大会:オンライン発表)

「カンボジアにおける理科教育支援 ボランティア活動を通しての高校生の視点から」.

〇佐々木康多、佐々木元子

 

2020年度:生物教育学会(オンライン発表)

「家庭学習を支援するだ液の消化実験キットの開発とオンライン授業支援」
〇里浩彰、川島紀子、貞光千春、竹下陽子、大崎章弘、榎戸三智子、千葉和義

 

2020年度:第8回全国海洋教育サミット(オンライン発表)

「コロナ禍における内陸地域での海洋教育実践支援 」

〇里 浩彰、 渡辺 友美

 

2020年度:日本科学教育学会 第44回年会(姫路大会、誌上発表)

「オンライン授業を助けるコンテンツ開発 『Google Earthで地層を観察しよう』」
〇貞光 千春,川島 紀子,竹下 陽子,里 浩彰,大崎 章弘,千葉 和義

 

2020年度:日本人類遺伝学会第65回大会(オンライン発表)

「日本とカンボジアの教科書分析による中等教育における遺伝教育の比較」

〇佐々木元子、村松みゆき、オルン・チャンポン、三宅秀彦

 

 

4.地域での活動

2020年度 夏休み子どもアカデミア 「マイ海藻カードを作ろう!」

実施日:2020.8.2

会場:お茶の水女子大学

対象:文京区在住の親子24組

指導者:里浩彰

 

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