幼小中高大の接続を意識した開発研究(2022年3月) より抜粋
上記報告書内の「理科部会特別報告」、第3期中期計画「幼小中高大の接続を意識した研究開発」に関する報告書 ”科学する心を育てるオールお茶の水の理科教育連携研究理科部会(令和4年3月9日)” についてもご参照ください。
【2021 年度の活動】
第1回(2021 年 4 月 13 日)@附属中学校理科室
➢ メンバー確認,自己紹介,役割分担。
➢ 一人一台の PC 活用例の情報交換(附小,附中)
➢ 一人一実験「ダニエル電池と回路カード」の紹介(SEC)
第2回(2021 年 5 月 11 日)@附属中学校理科室
➢ 微生物培養方法についての情報交換(附中,附高,附小,SEC,大学)
➢ 模型「昆虫の体のつくり」紹介(SEC)
➢ 荒木健太郎著『空のふしぎがすべてわかる!すごすぎる天気の図鑑』紹介(附小)
➢ 中1「初めての探究の授業~色々な生物とその共通点~」紹介(附中)
➢ 「観点と基準」「探究力育成」についての意見交換(附小,附高,大学,附中)
第3回(2021 年 7 月 6 日)臨時休会
第4回(2021 年 9 月 7 日) オンライン
➢ 11 月 20 日の公開研究会(オンライン)について(附高)
➢ 課題研究基礎(高1対象)についての紹介(附高)
➢ 課題研究II(高3対象)で,生徒が日本動物学会にてポスター発表(附高)
https://www.fz.ocha.ac.jp/fk/report/ssh/2021/d009833.html
➢ 生き物コレクションアプリ「BIOME」の紹介とアイデア募集(SEC)
➢ 11 月 6 日サイエンスアゴラで「減災プロジェクト」をテーマにオンラインセッシ
ョンを行う予定(SEC)
➢ 海洋教育に関するプログラム(海辺でのマイクロプラスチック調査,生分解性プ
ラスチック開発のカネカ,北海道石狩教育委員会などとの連携)の紹介(SEC)
➢ 長野市でクマゼミを扱った出前授業の実践(SEC)
➢ 遺伝関係の出前授業の実績は,コロナの影響で 1 学期 1 回のみ(遺伝 CC)
➢ ヒューマンライフイノベーション研究所で作成したQ&A集を活用した授業を附
属の保体教諭らと実践中(遺伝 CC)
➢ 文京区での科学教室,オンラインで手応えあり(基幹研究院)
➢ 明治期から現在までの理科の教科書調査を実施,結果は後日報告する。(東家大)
➢ 9 月 20 日日本理科教育学会で附小での実践を発表する予定(岩手大)
➢ モジホコリカビの教材化について紹介(附小)
➢ マイクロレンズでタブレット顕微鏡を開発(SEC)
➢ 理科教材データベースの充実について報告(SEC)
第5回(2021 年 11 月 2 日) オンライン
➢ 中期目標「附属と大学との連携」を視点に連携研究理科部会の成果をまとめる。
➢ 堀七蔵先生『容易くできる理化学実験』を中心に,附属の理科教育における「科
学する心を育む」姿勢や実践例を入れ込む方針(大学)
➢ 「銅貨が落ちる」「繭玉ころころ」などの物理実験紹介(附小)
➢ SEC から教材を借りて授業実践(附小)
➢ 附属中公開研究会での公開授業は「条件反射」をテーマに実施(附中)
➢ 附属高公開研究会ではSSH学校設定科目を紹介予定,講演会は上野千鶴子先生
をお招きして「女性リーダーは何を変えるか?」というテーマで全校生徒に対し
て行った様子を配信予定(附高)
➢ 筑波大附属高校と連携したキャリア教育の一環として瀬尾拡史博士によるキャリ
アフォーラムを実施予定(附高)
➢ 「竹とんぼと飛行機」の授業実践について(SEC)
➢ サイエンスアゴラで減災プロジェクト「災害時の困り事,平時から出来る事」を
テーマにオンラインでセッションを行う予定(SEC)
➢ 子ども保育所で体験実験実施(SEC)
➢ ヒューマンライフイノベーション研究所作成のQ&A集を活用した授業研究を附
属の保体教諭らと実施し、「発達」「生活習慣病」「感染症」などをテーマに計画
をしている。(遺伝 CC)
➢ 3 月 27 日「ガン教育」に関するシンポジウム開催予定(遺伝 CC)
➢ 教職実践演習の学生さんと附高の公開研究会に参加したい。(岩手大)
第6回(2021 年 12 月 14 日) オンライン
➢ 中期目標「附属と大学との連携」を視点に連携研究理科部会の成果をまとめる。
➢ 小学校と中学校の天体学習についての意見交換(地上からと宇宙からの視点変更
が難しいので「神様の視点」として宇宙からの視点を考えさせている(附小)
視点変更は中学でも難しい,以前中 1 にあった天体の単元が現在中 3,それでも
難しい(附中) 区立の研究会で見た天体に関する指導案が小も中も変わらない
(SEC)
➢ 11 月 20 日の公開研究会の報告(附高)
課題研究Iの基礎となるよう,教科横断的な内容を考案・実践(附高)
https://www.fz.ocha.ac.jp/fk/menu/study/research-meeting-2.html
➢ 「災害時でも途切れない教育」の一環として 11 月 22 日に福島の小 3 対象に出前
授業実施。小学校の風の単元で風車をつくり小型風力発電をつくる授業(SEC)
第7回(2022 年 1 月 18 日), オンライン
➢ 中期目標「附属と大学との連携」を視点に連携研究理科部会の成果についての原
稿確認。
第8回(2022 年 2 月 22 日) オンライン
➢ 課題研究II(高3対象)で実施している研究と活動の紹介(附高)
愛媛県立松山南高等学校との「未来の女性研究者交流発表会」を開催
https://www.fz.ocha.ac.jp/fk/report/ssh/2021/d009864.html
東京都内 SSH 指定校合同研究発表会および教員研修会にて国立代表校として本校
が発表
https://www.fz.ocha.ac.jp/fk/report/ssh/2021/d009883.html
「ブルーベリー発電と電解液~色素増感型太陽光電池~」第 12 回坊っちゃん科学
賞研究論文コンテスト優良入賞を受賞
https://www.fz.ocha.ac.jp/fk/report/ssh/2021/d009959.html
➢ 附属小の公開研究会(オンライン)についての報告と参観者からの感想等(「探
究する空間 ヒト・モノ・コト」をテーマに,「温度と体積変化」の授業を実施,
事前に見てもらった上での協議だったため,活発な意見交換が行われたこと,探
究学習の肝である「問を共に創る」ことがなされていたことなど。)(附小,SEC,
基幹研究院)
➢ SEC の取り組み(文京区中学生対象に対面授業で「ホタルの光るしくみと衛生検
査」を実施,アメリカ補習校対象に4回シリーズで理科の実験をオンラインで実
施中,2月 16,17 日,大学生対象に防災・減災ワークショップを対面で実施,海
藻押し葉の授業を対面で北区小 5 対象に実施)(SEC)
➢ 中期目標「附属と大学との連携」を視点に連携研究理科部会の成果のまとめにつ
いて(各附属,各立場を維持しながら「やってみよう」の気持ちをかき立てるし
かけが共通してあると考えている。それらが出せるとよい。)
(3)「幼小中高大の接続を意識した開発研究」に関する本部会の成果
【2021 年度の成果】
連携研究理科部会は,附属幼稚園長である理学部化学科教授1人,附属小学校3人・中
学校3人・高等学校3人の理科教諭と,本学サイエンス&エデュケーションセンター
(SEC)から5人,本学遺伝カウンセリングコースから1人,基幹研究院から研究員1人,元附属小学校教諭(4 月より岩手大学教育支援センター所属)1人,以前から本部会に所属する関係者(東京家政学院大学所属)1人が集い,各校種および部署が関係する理科授業の実践および研究報告,共通の教材開発,学会や研究会での発表,地域での活動等を行っています。
1.中期目標「附属と大学との連携」を視点に連携研究理科部会の成果をまとめる。
附属幼稚園長であり,本部会のメンバーである本学化学科の森義仁教授が中心となっ
て,堀七蔵先生『容易くできる理化学実験』の著書を中心に,各附属・各部署における連携研究理科部に所属する全員の理科教育における「科学する心を育む」考え方や姿勢,その実践例を出し合い,共有しまとめた。
2.授業実践・活動報告
① 小学校
・2021 年度公開研究会(2022 年 2 月 19 日:授業を事前配信,当日理科部提案および協議)
田中:理科部提案「探究する空間(2 年次)」
草野:6 年「太陽と月」実践発表
杉野:4 年「物の温度と体積」授業配信および実践発表
② 中学校
・2021 年度公開研究会(2021 年 10 月 29 日:授業概要を事前配信,当日協議)
前川:中学2年理科「条件反射」(教科ワーキンググループ)
山本:(ICTワーキンググループ)
薗部:(教科横断ワーキンググループにて自主研究について発表)
③ 高等学校
・2021 年度 SSH の活動報告
・2021 年度公開研究会(2021 年 11 月 20 日:授業概要を当日オンラインにて配信,当日協議)山本,松林,朝倉:1 年必修課題研究基礎(SSH 学校設定科目)「3展開授業-グラフ」の授業配信・実践発表および SSH 設定科目についての協議
④ サイエンス&エデュケーションセンター
・教材提供や授業支援など附属小・中学校との連携を実施した。
2021 年 6 月 附属中学校 3 年生 ダニエル電池
2021 年 6 月 附属中学校 3 年生 水圧実験装置
2021 年 10 月 附属小学校 4 年生 筋肉模型
2021 年 12 月 附属小学校 4 年生 星のうごき
2022 年 1 月 附属中学校 3 年生 放射線
2022 年 3 月 附属中学校 1 年生 ホタルの光と酵素反応
・日本財団「海と日本プロジェクト」に参画し,東京都内を中心に全国の小中学校における海洋教育実施の支援を行った。具体的には,株式会社なとりと連携して,北区海藻おしばコンテストを実施したり,海洋プラごみについて理解を深める出前授業を実施したりした。
・その他全国の連携地域とオンラインや現地で,教員研修や授業支援・出前授業などを行った。
⑤ 遺伝カウンセリングコース
ヒューマンライフイノベーション研究所「Q&Aシリーズ」の教材化を担当。
附属高校 2 年「課題研究I 生命科学」遺伝カウンセリングの講師を担当。
3.学会発表等
2021 年度:日本子ども学会第 17 回(オンライン発表)
「ICT を活用して子どもの科学的概念を育む物語創作ワークショップの開発と実践」.
〇大崎章弘,末松加奈,後藤郁子,井上知香
2021 年度:生物教育, 63(1), 2-9, 2021(論文発表)
「中学校・高等学校における「ヒトの遺伝」教育の実施に関する研究―中学校・高等学校教員と臨床遺伝専門医の関心の相違―」
〇木村緑,佐々木元子,三宅秀彦
2021 年度:日本遺伝カウンセリング学会誌 42: 39-49, 2021.
総説「中等教育の教員経験のある認定遺伝カウンセラーからみた「ヒトの遺伝」リテラシー.」
〇佐々木元子
2021 年度:日本理科教育学会第 71 回全国大会(オンライン発表)
「コロナ禍における内陸地域の海洋教育授業支援~海水を活用する個別実験キットの開発~」
○里浩彰,千葉和義
「マイクロスケールでのダニエル電池実験と回路カードの活用 減災どこでも理科実験パッケージの開発と検証」口頭発表
〇貞光千春,榎戸三智子,山本江津子,星野由佳,大﨑章弘,里浩彰,竹下陽子,千葉和義
「減災どこでも理科実験パッケージの開発と検証 「電気の利用」のための回路カードを活用したプログラミング教材の開発」口頭発表
〇大﨑章弘,貞光千春,榎戸三智子,里浩彰,竹下陽子,千葉和義「減災どこでも理科実験パッケージの開発と検証 中学校1~3年生の理科実験教材」
口頭発表
〇榎戸三智子,貞光千春,大﨑章弘,里浩彰,竹下陽子,渥美恵子,千葉和義
「ICT 機器を用いた博物館・科学館等の活用 防災普及啓発施設との連携を通したプログラム開発と実践」口頭発表
〇竹下陽子,渥美恵子,大場玲子
2021 年度:第 9 回全国海洋教育サミット(オンライン発表)
「コロナ禍での内陸地域における海洋教育実践支援 」
〇里 浩彰, 榎戸三智子
The 4th Asian Congress of Protistology -internet 2021, November 19th-21st
「The workshop of mobile microscopes for children」口頭発表
〇Yoko Takeshita
4.地域での活動
⚫ 「デジタル科学コミュニケーション教室」
実施日:2022 年 3 月 29 日(対面での予定)
会場;文京区教育センター《文京区科学教室》
対象:幼児と保護者対象
指導者:〇大﨑章弘 (補助:末松加奈,後藤郁子,他 1 名)
⚫ 2021 年度 夏休み子どもアカデミア 「マイ海藻カードを作ろう!」
実施日:2021.7.29
会場:お茶の水女子大学
対象:文京区在住の親子 12 組
指導者;里浩彰
2021 年度は,中期目標「附属と大学との連携」を視点に連携研究理科部会の成果をまとめた。その際,附属幼稚園長の森義仁教授が園長室で手にとった堀七蔵先生の著書『容易くできる理化学実験』を中心に,メンバーの理科教育における「科学する心を育てるために大切にしていること」や,「接続を意識した実践例」を出し合うことができた。このような作業を通して,理科教育への思いについて相互理解を深め,改めて理科教育で「やってみよう」から始まる「探究」の大切さを認識し合った。加えて,お互いのつながりを一層強めることができた。この強いつながりを礎に,お茶の水の理科教育をますます発展させていきたい。