本部会ではこれまで、「探究力・活用力」の育成をテーマに研究を重ねてきた。各教科や発達段階による「探究力・活用力」のとらえ方は様々である。子どもたちが表現を育む際に、先を見通して仕組んだり仕掛けたり、生徒が表現したいことを素直に安心して出せる環境(場や機会、人間関係等)をつくり出すことが、教員にとって重要である。また、彼らがそれぞれの発達段階までに積み重ねたものを無にせず、それらがスパイラルに高まっていくことを支援していくことも大切であろう
本部会では、「表現する」ことにおける「探究力・活用力」を、教科学習によって獲得される「道具としてのスキル」の部分と表現活動を豊かにするための「発想を実現する力や姿勢」の部分の両面があると考える。それらが両輪として相互にうまく作用し合うことにより、表現活動をより豊かなものにしていくことができる。
今日、子どもたちが社会の中で生きていくときに、自分の好きなことと納得がいくまで向かい合い、様々なメディアを活用し、創造したものを自分なりの判断力を持って発信していくことが、子どもたちが表現するということにおいて、探究・活用する姿ではないかと考えている。
私たちはこれまで部員相互での保育・授業の共有や教師自らによる表現活動の体験、外部講師の講義等を経て、自らの表現観を磨きつつ、その体験を活かし、カリキュラム化や教材化を目指し、それぞれの授業・保育実践を行ってきた(次項参照)。その中で、様々な発達段階や教科領域の教員が「表現」という一つの共通の課題に向き合うことで、実に多様な表現教育の可能性を探るヒントが得られてきた。また、私たちが考える「表現」には他の発達段階や表現を支える媒体の多様性を再認識し、相互間には重なる部分(共通性)と重ならない部分(独自性)があり、それらを丁寧に見取っていく必要性も感じられてきた。引き続き、それぞれがさらに深く考察し、さらなる表現カリキュラムの開発に励み、共有を重ね、より多面的・多層的・多角的に表現教育を考えていきたい。
メニュー
- 幼稚園の環境について考える(園庭環境マップ作り、影絵の舞台裏体験):灰谷知子(附属幼稚園)
- 対話型鑑賞法ワークショップ:堀井武彦(附属小学校)
- 番外編・異国見聞譚:小野めぐ美(附属小学校)
- 身体や動きでコミュニケーション 中学校1年生の体つくり運動:君和田雅子(附属中学校)
- 中学2年 「紙芝居づくり」~挿絵描きのポイント~:桐山瞭子(附属中学校)
- 俳句を作って句会を開こう~修学旅行をテーマに~:戸谷順子(附属中学校)
2019年度~
連絡先
連携研究 表現を広げ深める部会
renken8@cc.ocha.ac.jp