2021年度 活動報告 (社会科部会)

2021年度の本部会は、「幼小中高大の接続を意識した開発研究」をテーマに、小学校3名、中学校2名、大学教員1名の社会科に関係する教員の参加により。月に1回、火曜日の 16 時 30 分から 18 時の間、コロナ禍の中ではあったが、小学校か中学校のいずれかに集まる会合(連携研究会)を持ち、社会科についての研究を進めた。同じキャンパスにあるという近接性を存分に活かし、指導案を持ち寄って小中教員が一緒になって検討し合うなど、学校種にこだわらない自由闊達な雰囲気のもと、交流・連携を継続することができた。

今年度は、これまでもテーマとして研究を進めてきた「社会的論争問題」について、小中の発達段階や学習の連続性を踏まえ、論争的問題を通して政治的リテラシーを涵養する教材開発および社会科学習の在り方について、小中連携の観点から議論を進めた。また、附属小学校の研究主題である「てつがく」、附属中学校研究主題である「振り返り」の視点を活かし、附属学校園の社会科での学びを通した知識や考察の深まり、児童生徒の社会の見方・考え方や自身の判断基準の深まり、自身の考察を社会との関係の中で問い直すなどの振り返りが与える影響などについて考察した。

この他に、新しくなった評価の在り方や、日々の実践におけるICTの活用について様々な情報交換を行った。連携研究会の参加者が実際にICTを活用して、生徒が作成した成果物を提示したり、校種を超えて相互に評価したりする活動も行った。また、公開研究会での研究授業の検討や分析、附属小学校から附属中学校に進学した児童生徒の9年間での社会科の学びの深まりや変化についての追跡調査や分析、情報交換もこれまでと同様継続して行った。具体的には、中学校3年生が作成した第二次世界大戦に関するレポートの分析をした際には、戦争というものに対する多面的な認識の広がりや、平和の概念の深まりについて見取ることができた。また、中学2年生の地理学習(中国・四国地方)の学習で生徒が作成した町おこし・村おこしプランの作品を社会科部会の教員全員で一緒に評価した際には、教員の所属する学校段階の違いによって、評価規準の設定の仕方も異なってくることを互いに実感を伴って認識することができた。また、いずれの活動においても、長期的なスパンでの思考力・判断力・表現力、資料活用の技能の高まりの様子を見取ることができ、先の成長も見通して指導するという視点を得ることができた。

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