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教育実践報告 2017年度まで ( エシカル・ラーニングラボ )
これまでの教育実践
高校家庭科では体験を大切にしたエシカル消費の授業を行っています。生きること全てに関わる家庭科の各分野の講義や実習において伝統技術職人やエシカルブランド、NGO、障がい者福祉施設等との外部連携やIT活用を積極的に行っています。さらに学びを発信することを重視しており、今までに環境展示会エコプロダクツでのステージ、エシカルな文化祭、消費者庁や環境庁などの官庁イベント、百貨店でのファッションショー、エシカル消費を発信するリーフレットや動画作成、公立小学校へのエシカルボランティア等様々な形で、社会を変えるアクションを起こしています。エシカルラーニングラボの連携研究として附属高校生が附属小学校と中学校へ訪問してのエシカル消費の授業も行っています。
平成25年・26年度の家庭科の授業は、文部科学省消費者教育推進のための調査研究授業、平成26・27・28年度の授業は科学研究費(奨励研究)に採択されています。
中学校家庭科では、平成22年度消費者庁消費者教育推進方策研究事業として、中学校家庭科での効果的な消費者教育の教育手法等に関する調査研究の授業実践を、お茶の水女子大学附属学校家庭科研究会と共同で行いました。
調理実習では、サステイナブルクッキングに取り組んでいます。オリジナルスープの作り方をショートムービーにまとめ、生徒の学びを下級生につなげるなど、ICTを取り入れた授業づくりの可能性について検討しています。
小学校家庭科では、消費分野の学習の一環として、カカオの原産国における児童労働について学びました。まず、子どもたちは「チョコレートを買うときにどんなことを気にする?」という問いで話し合いをしました。その後、エシカル消費を学んでいる附属高校の生徒が来校し、チョコレートの生産の背景にある児童労働について、プレゼンテーションを行いました。高校生の視点で作成されたプレゼンテーションや話し合いは、小学生の心に響き、消費の視点を広げることができました。
2018年度 教育実践報告 ( エシカル・ラーニングラボ )
高校家庭科
・児童労働とチョコレートについて調べた高校1年生が、附属小学校5年生に訪問授業を行いました。
・エシカル消費について学んだ高校2年生が、附属中学校1年生に訪問授業を行いました。
・エシカルブランドCLOUDYと高校1年生の商品開発を行い、アフリカで量産し東京ミッドタウン六本木のISETANサローネで販売しました。
メディア
TV 附属高校家庭科教諭葭内ありさが、報道ステーションでゲストコメンテーターを務め、番組内の金曜特集「サステイナブル・ファッション」ではスタジオ授業を行いました。
ラジオ NHK WORLD JAPAN で高校のエシカルの授業が紹介され、英語他17ヶ国語で放送されました。
新聞 CLOUDYコラボ関連 メディア掲載 朝日新聞 、繊研新聞、オルタナ他
中学校家庭科
・中学1年生が、附属高等学校の生徒からエシカル消費に関して教えて貰いました。工夫を凝らしたすごろくや寸劇で楽しみながら理解を深めました。

がんばっぺしポーチ
・中学2年生が、3年生になってからの「がんばっぺしポーチ」作りに向けて、南三陸ミシン工房(東日本大震災で被災した女性の自立を支援する団体)の代表の方から、工房を立ち上げたきっかけや取り組み、工房の商品を購入することがエシカル消費につながることを教えていただきました。
小学校
・小学校5年生が、高校1年生の訪問を受け、児童労働とチョコレートについてのプレゼンテーションを聞くとともに、グループトークを行いました。
・高校生からフェアトレードについて教えて貰った後、フェアトレードチョコレートを用いた調理実習を行いました。
書籍
「独りで決める、みんなで決める」 NPO法人お茶の水女子大学附属小学校
事例報告 小学校5年生 ( ことば・国語部会 )
選択と共有をくり返す中で、自分の学びを意識する「ことばの学習」(小学5年生)
お茶の水女子大学附属小学校 岡田博元
【実践の概要】
週5時間の国語授業(2時間「書くこと」、2時間「読むこと」、1時間「言語事項+α」)。
「読むこと」では、RW(リーディングワークショップ)の手法を取り入れている。RWの構成要素は以下の通り。
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①児童が自分たちで読む教材を選択する。 ②本の選択に基づいて一時的なグループが作られる。 ③異なるグループは異なった本を読む。 ④グループは計画を立てて定期的に集まる。 ⑤覚え書き(言葉や線画)を話し合いのために使う。 ⑥話し合いの話題は児童から出される。 ⑦グループは本についての自然な話し合いを目指す。 ⑧教師はグループの一員や指導者ではなく促進者を務める。 ⑨評価は教師の観察と児童の自己評価によって行う。 ⑩遊び感覚と楽しみの精神が部屋に広がる。 (以下略) |
ゆれる心を読む~一人称の作品から自分にとっての意味を考える~
重松清「正」文春文庫『小学五年生』より
重松清「カレーライス」光村図書5年『銀河』
重松清「あいつの年賀状」三省堂5年『広がることば』

【実践のポイント】
「カレーライス」
- 主人公はなぜ父に謝りたくないのか
- 親子の心のすれ違い
- なぜヒロシはカレーを作ったのか
- 意地の張り方が変わってきたのはどうして?
- なんで主人公が作ったのがカレーだったのか?
- 情景描写で何を表したかったのか?EX)甘ったるい、中辛、ぴりっと辛く てほんのり甘かった。
- なんで謝ったらまた叱られると思ったの???
- ヒロシはなぜなかなか謝れなかったのか。
「あいつの年賀状」
- なんでケンカの様子や理由が書かれていないのか
- 「終業式の日」という設定
- 二つのタコがくっついたりはなれたりという描写の意味
- 僕の心情の変化を読む。特に空に浮かぶ凧のシーン
- 突然の別れから少年は何を学んだのか。
- 裕太と僕の心情を、時間の流れに沿って別々に整理してみる。
「題名のない(正)」
- 最後の一文、「いつまでも跡がうっすらと残っていた」の意味と、その時 の少年の気持ち
- なぜ、題名が正<セイ>なのか?
- 学級委員になりたくないのに、選ばれたい
- 「本気の本気で面倒」など心の表情
- 選挙の前と後の「少年」の心情の変化。
- 題名は何か?(少年と紺野君の学級委員に対しての見方)
- 少年と紺野くんの人物像は?
- 少年の気持ちの変化(選挙の前後の変化に注目して)
〇要点駆動の読み
- 物語の中にしかけられた要点(複数の解釈が起こるよう な部分)をエネルギーとして、探究的な読みを駆動させることをさしている。
- 「結束性方略(一貫性の高い説明を与えようとする)」
- 「物語表層方略(言葉の特徴に着目しようとする)」
- 「交流方略(作者とのコミュニケーションをもとうとする)」
〇社会構成主義的学習観
- 学びの整合性・一貫性・安定性
環境に対して選択的に関わりつつ意味を構成していく
- 学びのコンテクスト依存性
子どもは社会文脈・生活的文脈において有能に学び続ける存在
- 学びの知識表現の多面性
概念を多面的な表現(イメージやエピソードとのリンク)によって把握
- 学びの組み替え性
概念や知識を累積的に学ぶのではなく、科学知と生活知、学校知と 日常知の関係を調整し、組み替えつつ学ぶ。
【創作表現】中学1年「坊っちゃん」を読んで手紙を書こう
【実践の概要】
教科書では短編でない文学作品は、作品の一部分(冒頭のみ)を取り上げているが、せっかくの文豪の作品を少しでも作品全体として感じさせる読みにし、できれば生徒自らがその先も読み進めることにつなげさせたいということで第一章だけでなく、小説の本格的な展開の場、松山赴任後のいなご事件が書かれている四章を小学館の文庫本「坊っちゃん」を使って各自に読み進めさせることにした。また、主体的な読みとなるよう、読み取ったことをもとに坊っちゃんと清が手紙のやりとりをしているという設定で、登場人物になりきって手紙を書くという創造的活動を取りいれることとした。【つくる学び】のために以下のような目標を設定した。
・登場人物になりきって、別の登場人物に手紙を書く。(Cイ)
・文脈から登場人物の思いや行動を想像したり、語り手とは違う視点に立って考えたりしたことを、整理して伝えたいことが明確になる文面を考える。(Bア)
【実践のポイント】
(1) 授業の展開
| 学習活動 | 指導上の留意点 |
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1 「坊っちゃん」を読む。 導入:夏目漱石とその時代を知る。(ワークシートに整理)
①教科書の「『坊っちゃん』の生い立ち」(一章)を全体で読む。 ○清の人柄・坊ちゃんの人柄を簡単にワークシートに書き出 し、全体で共有する。時代や設定・登場人物の特徴をつかむ。 ②二章・三章の要約を読む。(松山赴任の場面) ③ 小学館文庫の「松山でのいなご事件」四章 ○気に入ったところ(または表現)や面白いと思ったところや後で手紙を書く際に使いたいと思うところ(取り上げようと思うところ)に付箋をつけながら読む。
2 四章の「いなご事件」について坊っちゃんか清のどちらかの立場で短い手紙を書く。 ① 付箋をつけていたところから、事件の中で手紙の中心として取り上げるところを決め、ワークシートに簡単に書き出し、手紙を書く準備をする。 ②「便覧」の手紙の書き方を参考にし、ロイロノートに縦書きで手紙を書いて「『坊っちゃん』の手紙」の提出箱に提出する。
3 グループやクラスで共有する。 |
・パワーポイントや国語の便覧等の資料を使って読む前に夏目漱石や、小説を読む上で必要な時代設定について説明する。
・①では、登場人物や設定をしっかりと把握するよう朗読CDを聴きながら必要に応じて教師が解説を加え、全体で一緒に丁寧に読む。 ・②で使用する二章・三章の要約を用意しておく。 ・③より各自で読み進めるため、小学館文庫「坊っちゃん」を1クラスの生徒分用意する。 ・授業後、文庫本を返す際、付箋にページ数や行をメモし、自分のワークシートに貼っておく。 ・以下の二点を踏まえて手紙を書くよう促す。 ―文章中の「何だか清に逢いたくなった」に着目する。 ―この事件が起きる前の松山に赴任したばかりの頃のことが書かれてある二章・三章の要約を参考にする。 |
(2) 生徒の学習の実態と考察
人物像や他の場面からの想起・想像・連想により、「〇〇だったらこんなことを思うだろう。書くだろう」といった内容を創造的に思考し、登場人物になりきって手紙をまとめることができていた。この創造的活動はゼロから何かを創り出すのではなく、読み取ったことを踏まえてであるので、正確な読み取りや、それを基に手紙の文面を考える段階での十分な熟考や吟味が必要であり、そこに創造的思考がしっかりと働く必然性も存在する。逆の視点からすると、読みの正確さや創造的思考が十分であるかという点も、この創造的活動によって創られた作品に反映され、それらが十分にできている手紙は良いものに仕上がっている。創造的活動が、読みのふり返りや評価にもつながることを示唆していると言える。
参考文献
「坊っちゃん」小学館文庫 夏目漱石著 「漱石日記」岩波文庫 夏目漱石著(平岡敏夫編)
「文豪ナビ夏目漱石」(非売品)新潮文庫 木原武一・島内景二の著書の部分
「英語教師夏目漱石」 新潮選書 川島光希著 「漱石俳句探偵帖」 小学館文庫 半藤一利著
2021年度の取り組み エシカルラーニングラボ
高校
- 高校3年生が、高校1年生の時に家庭総合で行ったエシカルブランドCLOUDY の商品開発プロジェクトが完了しました。生徒の代表作品案が、アフリカ・ガーナのCLOYDY工場で商品化され、10月にCLOUDYの渋谷MIYASHITAPARKの実店舗で販売されました。開発した商品は、巾着と2WAY鍋つかみです。商品には、有志生徒グループが開発したタグ・リーフレットが添えられて販売し、活動紹介のホームページのQRコードが掲載されました。このプロジェクトは、ガーナの貧困層の女性や障がい者からなる現地スタッフ45名の雇用につながりました。売り上げの10%は、ガーナの学校教材および給食代として寄付されました。
- 高校2年生が、附属中学1年生に、「エシカル消費」についての訪問授業をオンラインで行いました。授業の際には高校生が作った「エシカル・アクションカード」を中学生に届け、中学生よりコメントを貰いました。
- 高校1年生が、3学期にエシカルブランドCLOUDY の商品開発と基礎縫いの授業を行いました。代表作品の商品化は来年度以降を予定しています。
- スーパーグローバルハイスクール(S S H)のエシカルな取り組み
・設定科目必修1年家庭科「生活の科学」にて、サステイナブルを軸としながら身近な生活を科学的に捉える視点に着目した授業を行いました。サステイナブルな企業創業者や代表による講義も行いました。
・「生活の科学」を11月の公開教育研究会で全国の教育関係者に公開しました。公開した授業は学会発表したもので、家庭科教育学会誌に掲載されました。(葭内ありさ,2022年5月15日『日本家庭科教育学会誌』65(1):33-38.)
・2年必修SSH学校設定科目「課題研究Ⅰ」にて、エシカルなバイオ企業代表や、サステイナブルなアートに取り組むブラジル人バイオアーティスト・研究者による講義を行いました。(詳細は高校H Pを参照ください)
- 高校1年生は、小学5年生へ「児童労働とチョコレート」のプレゼンテーションを作成し、訪問授業を予定していましたが、新型コロナ感染症拡大の影響で次年度春に延期となりました。
- 2021年にオープンしたエシカルフルーツ店「東果堂」の、エシカルフルーツ試食会をエシカル・ラーニングラボのメンバーで行いました。
メディア
TV
高校の葭内ありさ教諭が監修・講師を勤めるNHKEテレ高校講座「家庭総合」で高校のエシカルな授業の様子が紹介されました。(4月〜3月,再放送)
ラジオ
高校の葭内ありさ教諭が、J-WAVE81.3FM「Ethical Wave」のゲストとして出演し、エシカルな取り組みを紹介しました。(4月17日)
雑誌・webメディア
教員養成セミナー8月号「名物先生に会ってきた」,ソトコト9月号,
政治経済系Webメディア「Japan- in Depth」(9月,10月)ほか
中学
- 中学校3年生が南三陸ミシン工房(東日本大震災で被災した女性の自立を支援する団体)から教材を提供していただき、「がんばっぺしポーチ」を作りました。
- 中学校3年生が幼稚園の暮らしの様子が綴られた写真を見せてもらってコメントを届けました。幼稚園の子どもたちに遊んでもらえるように、白い毛糸を食用色素で染めてメッセージカードと一緒に届けました。
- 中学校2年生が岩手県釜石市の工場で生産されている国産さばの缶詰(サヴァ缶)を使ったレシピを考えて夏休みに家庭での調理に取り組みました。レシピを考える際には、被災地復興応援事業(東北復興応援 健康・栄養セミナー「ふれあいの赤いエプロンプロジェクト」)担当の方にアドバイスをいただきました。また、家庭での調理に取り組んだ際に見つけた自分たちにできるエシカルアクションをエシカルアクションカードとしてまとめました。サヴァ缶レシピとエシカルアクションカードを幼稚園の保護者・小学生(6年生)・高校生(3年生)に紹介してコメントをもらいました。自分の暮らしに生かすヒントをたくさんいただきました。
教材・論文データベース『サヴァ缶クッキングでエシカルアクション探し』(公開研究会資料)
- 中学校1年生が、小原木Myタコちゃんプロジェクト(梅村マルティナFS気仙沼アトリエ)に取り組みました。
- 中学校1年生が、附属高等学校の生徒からエシカル消費をテーマにオンラインで交流授業を行い、自分たちにできるエシカルについて考えるヒントが得られました。春休みに、衣生活でのエシカルアクション探しに取り組みました。
- これまでの取り組みの一部を附属中学校研究紀要にまとめました。
教材・論文データベース『持続可能な開発目標(SDGs)と関連付けた家庭科の授業づくり ~エシカル(倫理的な)消費の視点から~』
小学校
- 小学校6年生が、附属中学校で取り組んだエシカルアクションカードの紹介ビデオを見て、エシカル消費の概要を学びました。その後、実際のエシカルアクションカードを読み、コメントを書きました。
- 小学校5年生が、家庭科の授業で「食品ロス削減のためのこども戦略会議」を行いました。食品生産に携わるいろいろな人の立場から、どうすれば食品ロスを減らせるか、具体的な対策について考えました。この授業の様子は第84回教育実際指導研究会で発表しました。
小学校給食
- 大学生が考えた、「大豆ミートを使ったドライカレー」を小学校の給食で提供しました。給食のおたより(パクパク通信)で、食の選択肢の一つに大豆ミートを入れることが地球環境の保全にもつながることを子どもたちに伝えました。
幼稚園
- 2021年度より参加した幼稚園では、日々の保育の写真記録を共有することで、園の暮らしがエシカルであることを再認識しました。
例えば、春、園庭奥に顔を出すヒメダケでのスープ作りや初夏には梅の実での梅ジュース作り、お芋掘りでたくさん掘ったジャガイモを学内にお届けに行くこと…など、子どもを真ん中に、暮らしを丁寧に考えていくことの大切さに改めて気付かされました。
- 園の暮らしの写真記録を中学生にも見てもらい、付箋紙に一言コメントをもらったり、中学生のエシカルアクションカードやサヴァ缶レシピを読んだ園児や保護者が感想や意見を書き込んだりなど、やりとりを重ねました。
- 3学期に毛糸で指編みや織物を楽しんでいる園児の様子を受け、中学生が白い毛糸を染めてプレゼントしてくれました。
