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第4回 統計教育シンポジウム
令和3年3月20日(土祝)10:00~12:00にオンラインにて開催しました。
テーマは、「身の回りの問題を統計的によりよく解決する力を身に付けよう~生きて働く知識を小中高を通して獲得する~」です。
お茶の水女子大学附属学校園教材・論文データベース:https://kyozai-db.fz.ocha.ac.jp/より各学校での実践事例を閲覧いただけます。
・小学校実践事例
・中学校実践事例
・高等学校実践事例
2020年度活動報告(理科部会)
連携研究理科部会は、附属幼稚園長である理学部化学科教授1人、附属小学校3人・中学校3人・高等学校3人の理科教諭と、本学サイエンス&エデュケーションセンター(SEC)から5人、本学遺伝カウンセリングコースから1人、基幹研究員1人が集い、各校種の理科授業の実践報告、共通の教材開発、学会や研究会での発表、地域での活動等を行っています。また、理科部会のテーマ「探究力を育む“つなぐ”理科教育~ふしぎ発見・感動~」をもとに、児童・生徒の探究力育成に着目して、探究力を段階的に育成するための方法を模索しています。
1.各校におけるコロナ感染予防対策やコロナ禍での授業の具体的方法の情報交換
・プリント配布や回収の方法
・遠隔学習での課題配信や授業配信の方法
・おうち実験の具体例
・教室での実験の具体例
・理科室での実験の具体例
2.授業実践・活動報告
① 小学校
・2020年度公開研究会(2021年2月20日実施、オンライン)での研究テーマ説明、授業報告
*理科部協議会は1時間
草野:小学5年実践報告「ふりこの動き」、全体の会の運営担当(機器操作の担当)
田中:司会担当*サバティカル中
増田:小学4年実践報告「ものの温度と体積」、理科部理論編説明
里先生(お茶の水女子大学):共同研究者
寺本貴啓先生(國學院大學):コメンテーター
・「探究する空間」
社会情意的スキルとメタ認知スキルを育みながら、探究を続けていく子どもの育成を目指し、子どもを取り囲む環境である空間に着目し、「探究する空間」を研究テーマとした。子どもたちが理科の授業で探究活動をしている空間と言えば、教室であり実験観察室である。その空間には仲間や教師というヒトが存在し、さらに実験器具などのモノが存在し、そして自然の事物現象というコトが存在している。ヒト・モノ・コトが存在している空間である。この空間の中で子どもたちは思考を働かせて問題を見いだし、実験方法を考え、仲間と対話しながら問題解決を図っている。このような一連の学びは子どもを取り囲む「空間」で行われていると考える。どのような空間を目指すべきなのか、ヒト・モノ・コトが子どもに与える影響、子どもがヒト・モノ・コトに及ぼす影響などについて実践を通して研究していく。
② 中学校
・2020年度公開研究会の報告(2020年10月24日~web上で公開)
前川:中学1年 遠隔学習「生物の観察」
山本:中学2年 対面学習「気温が20℃も違うバレンタインデー」
薗部:中学3年 対面学習「電池の条件調べをおうち実験で」「イオン化傾向を教室実験で」
薗部:遠隔学習に関する教員(中学校)アンケート結果分析の報告
③ 高校
2020年度SSHの活動報告
・授業実践事例
「課題研究基礎」(学校設定科目,1年必修)
「課題研究Ⅰ【地球環境科学,生命科学,暮らしの化学】」(学校設定科目,2年必修)
・生徒活動事例
「生物基礎」(2年必修)(:第13回高校生バイオコン優勝、第14回バイオものコン優勝・社会貢献賞・審査員特別賞受賞
https://www.fz.ocha.ac.jp/fk/report/ssh/2020/d009421.html
④ 遺伝カウンセリングコース
ヒューマンライフイノベーション研究所で「Q&Aシリーズ」を作成。
附属高校2年「課題研究Ⅰ 生命科学」遺伝カウンセリングの講師を担当。
3.学会発表
2020年:日本理科教育学会第70回全国大会(岡山大会:誌上発表)
「学習指導要領に沿った海洋教育授業の開発と検討~第3学年『身の回りの生物』における海藻観察の導入~」
〇里浩彰、秋葉典人、千葉和義
2020年度:日本理科教育学会第70回全国大会(岡山大会:オンライン発表)
「カンボジアにおける理科教育支援 ボランティア活動を通しての高校生の視点から」.
〇佐々木康多、佐々木元子
2020年度:生物教育学会(オンライン発表)
「家庭学習を支援するだ液の消化実験キットの開発とオンライン授業支援」
〇里浩彰、川島紀子、貞光千春、竹下陽子、大崎章弘、榎戸三智子、千葉和義
2020年度:第8回全国海洋教育サミット(オンライン発表)
「コロナ禍における内陸地域での海洋教育実践支援 」
〇里 浩彰、 渡辺 友美
2020年度:日本科学教育学会 第44回年会(姫路大会、誌上発表)
「オンライン授業を助けるコンテンツ開発 『Google Earthで地層を観察しよう』」
〇貞光 千春,川島 紀子,竹下 陽子,里 浩彰,大崎 章弘,千葉 和義
2020年度:日本人類遺伝学会第65回大会(オンライン発表)
「日本とカンボジアの教科書分析による中等教育における遺伝教育の比較」
〇佐々木元子、村松みゆき、オルン・チャンポン、三宅秀彦
4.地域での活動
2020年度 夏休み子どもアカデミア 「マイ海藻カードを作ろう!」
実施日:2020.8.2
会場:お茶の水女子大学
対象:文京区在住の親子24組
指導者:里浩彰
2020年度の報告(外国語活動・英語部会)
〇授業実践の発表
〈高校〉お互いを知るためのインタビュー動画づくりの取り組み~73 Q’sを参考に
〈中学校〉英語科における「探究」とは~遠隔学習、対面学習の両面から
〈小学校〉多言語にも触れながら行う英語コミュニケーション活動/初めての「評価」
〇評価について
・3観点について、それぞれをどのように見取り、評価するのか
・外国語における「学びに向かう力」とは
〇それぞれの教科観から連携の柱を探る
2019年度の報告(外国語活動・英語部会)
〇新学習指導要領施行に向けて
・評価についての情報共有
・小学校外国語科の教科書についての情報共有
〇全国学力調査(スピーキング)を実施しての感想等の共有
〇各校での授業実践、主体的・自律的に学習に向かうための取り組みの共有
〇授業見学・交流
・・・2月に予定していましたが、新型コロナウイルス感染症による休校により中止となりました。
2020年度報告 (社会科部会)
2020年度も新たなメンバーを迎え、小学校3名、中学校2名、大学1名の6名で連携研究を進めました。、コロナ禍の影響で9月以降の開催となり、昨年度末に予定していた連携研究テーマに加え、「コロナ禍における実践知の共有」をテーマに、Web会議も取り入れながら少ない中でも充実した活動を行うことができました。2020年度の連携研究会の内容は、以下の通りです。
<今年度の主な連携研究テーマ>
◎ コロナ禍における実践知の共有
○ 附属小学校から進学してきた生徒がどのように社会科の力を深めているか。
○ 教室空間での他者とのやり取り(話し合い、議論)がどのように接続し変化しているか。
<日程と主な内容>
・ 9月 8日(火) 活動内容の検討、小中の情報交換
※中学校に寄贈された「インタラクティブ地球儀スフィア」の情報共有
・11月17日(火) 中学校の研究について討議~コロナ下での遠隔授業の実践・工夫について
・12月 1日(火) 部員の日本社会科教育学会での発表についての意見交換
・ 1月12日(火) 小学校の研究発表について討議
・ 3月 2日(火) 次年度に向けて(活動のまとめ)
※3月には、中学2年生の地理学習(中国・四国地方)の学習で生徒が作成した町おこし・村おこしプランの作品を社会科部会の教員全員で一緒に評価した。
古文入門期における教材のまとめとしての「言語活動」
実践の概要
2020年度は当初、在宅での授業となった。高校に入学したばかりの1年生はほぼ新しく学ぶ古文、漢文を、画面を通して学習することになった。基礎的な知識の習得はそれでもある程度は可能であろうが、それを定着させる機会に個人差が生じる懸念があった。そこで、登校しての対面学習が始まった際に、ふだんはグループワーク等で定着を図るための「言語活動」のみ授業で行うこととした。
学習指導要領上の位置づけ
平成30年度告示の「高等学校学習指導要領解説 国語編」に次のようにある。
第1款 目標
(2)生涯にわたる社会生活における他者との関わりの中で伝え合う力を高め、思考力や
想像力を伸ばす。
これは国語科全体の目標であるが、これを意識して活動できるように考えた。
教材と「言語活動」
1)「検非違使忠明」主人公忠明の人物像を読みとり、認められるところ、認められないところを書き出す。
2)「絵仏師良秀」主人公良秀の人物像を読みとり、その姿勢を肯定するか、否定するかを書き出す。書き出した後、隣と交換し、反論を書く。
3)「大江山の歌」和歌に使われている掛詞をまねして、自分も掛詞を考えてみる。
4)「丹波に出雲といふ所あり」各場面における同行者の心情を考え、最後にかけるひとことを考える。
5)「ある人、弓射ることを習ふに」作者の主張を読みとり、それに反論する。
6)「九月二十日ばかりに」登場人物の行いについて、肯定または否定する。
7)「奥山に猫またといふものありて」異なる本文を校訂する。
8)「花は盛りに」作者の論に反対する論を読み比べ、どちらかを支持する。さらに、ペアで交換して、反論を書く。
それぞれの「言語活動」が主に目指した力は次のようになる。
必要な情報を取り出し、いろいろな観点から考える批判的思考力 1)、5)、6)
新たな問題をみつけ、解決策を生み出すための創造的思考力 3)、4)、7)
他者との共通点や相違点を理解して、関りあう協働的思考力 2)、8)
生徒の作品例
2)自分の職業に誇りを持っている心構えが良い。また、自分のことを顧みてしっかり反省できるのも立派である。
(反論)確かに、自分の職業に自信を持ち、反省できていていい。しかし、良秀の誇りや反省は、相手をけなす方向へと働いていたので、そこは好ましくない。
3)冬の朝 窓からきた(来た/北)風 凍えそう
4)ただのいたずらも子どもであれば感動を与えるものですよ。
6)肯定意見:日常的に相手がいなくても見送りができるというのはとても礼儀正しい姿である。相手がいない時こそ、真の姿が見えると思うから。
否定意見:誰かに見られているからといって普段していない行いをしてよく見せようとするのではなく、ありのままを見せることで真の人間性が見られると思う。でも常日頃から心掛けることは難しいことだし、何かしら裏表があってこその魅力ということもある。
8)物事が終わる様子や達成できないことも悪いことではないが、わざとそちらを好んで求めるのは違う。残念なことに変わりはない。
(反論)「残念なこと」は確かにそうである。しかし、その残念さに、趣を見出すことができる人こそ本当に感受性がある人なのだろう。「残念なこと」それだけで終わらせるのではなく、そこに情趣を入れることで、より一層深く考えさせることが出来るものだ。「残念さ」を感じつつも、そこに一つの感情を含ませ、多くの人に風情を伝えるのもよいだろう。
2020年度活動報告 連携研究 自学・自主研究部会
幼稚園事例報告
幼稚園では昨年より教育目標の見直しを図り、新たに「子どもへの願い」として、以下の3つに整理した。
・自分のことを大切にする ・周りの人を大切にする ・環境を大切にする
目標に向かって、到達できたかどうかで子どもを評価するのではなく、一人ひとりの育ちの過程を大切にし、子どもと関わる教師や保護者が、子どもを中心につながりあい、支え合いながら、共に育ち合うことを目指したいと考えている。今年度は、感染拡大防止に伴い、園生活も例年通りにはいかないことが多かったが、そのような中でも、新しい情報発信システム(ムードル)やメール等を活用し、保護者の意見や質問を募るなどの対話的なやりとりを重ねてきた。
こうした取り組みを、今年度の子どもたちの園内での遊びや生活の様子を写真で伝えつつ、報告した。他校種のアドバイスや意見をもとに、さらに発達を見通しつつ、子どもの今をみつめ、子ども理解を深めていきたいと考えている。
小学校事例報告
子ども一人ひとりが自ら主体的に学ぶための学習のあり方を、「個の尊重」と「協働(協同)」の視点から探究し続けるという本校の「てつがく創造活動」の研究のもと、自学・えらぶにおいては、子ども個人の興味や好奇心に基づき、学び方を身に付け、探究心を養うこと、自分を見つけ、自分を育てることを大切にしたいと考えている。
第2学年では、しなくてはいけないことと自分がしたいことのバランスを取りながら計画を立てること、自分の好きを追究しながら自分や他者に出会うこと、個人の学びから学びが広がっていくことを根底に置いて活動している。その一例について記述を試みたものを報告し、子どもの見とり方や教師間での共有について検討した。
第6学年の自学では「自分の好きを伝えよう」と題し,独り善がりにならない自学を意識してジャンルごとに分かれて取り組んだ。3学期から一人一台PCを活用できるようになったこともあり、互いに触発し合いながら、まとめ方や伝え方など表現方法も工夫した。代表者発表会では4年生に来てもらい、他者(他学年)と関わる場面を設けることで,自分の探究をさらに深めていった。
中学校事例報告
総合的な学習の時間で行われている「自主研究」の3年間に渡るカリキュラムの流れについて紹介をした。 2020年から附属中学校では完全に一人一台の PC を活用できる体制になった。それによって、生徒の自主研究の探究のプロセスも大きく変わろうとしている。例えばインターネット等で安易に情報が集められる一方で、学校図書館の利用が減っているという課題がある。 情報機器やネット環境を活用した探究的な学習の支援について、どのように考え実践をしているか、また課題はどのようなところにあるか、他校種からのアドバイスも受けながら検討を進めた。
高等学校事例報告
附属高校は2019年度よりSSH(スーパーサイエンスハイスクール)に指定され、2年目にあたる。そのなかで、1年次の課題研究基礎を土台に実施される2年次の課題研究Ⅰについての事例を紹介した。附属校園出身の生徒が、これまでの学びを踏まえてどのような探究活動を行っているかなどの情報交換や、小中高の接続を今後どのように意識して高校での学びを深めていくかなどの課題について、意見交換した。
2019年度活動報告 自学・自主研究部会
他校種のグループの先生方との情報交換
自学・自主研究部会では、幼稚園・小学校・中学校・高等学校の4つの校種が集い「探究」をテーマに事例検討を進めている。毎回のミーティングではそれぞれの学校で持ち寄った探究の事例を紹介しあい、どのような学びが生まれているか、どのような課題が見られたかなどについて検討し合った。
こうしてさまざまな校種で「探究」というテーマで検討し合うことで、学習者の発達段階に即した探究の表れについて見ることができるとともに、どのような支援が可能であるか協同で検討し合うことができた。
2019年度 活動報告
高等学校
- スーパーグローバルハイスクール(S S H)学校設定科目必修家庭科「生活の科学」にて、サステイナブルを軸としながら身近な生活を科学的に捉える視点に着目した授業を行いました。 (詳細は高校H Pを参照ください)
- 児童労働とチョコレートについて調べた高校1年生が、附属小学校5年生に訪問授業を行いました。
- エシカル消費について学んだ高校2年生が、附属中学校1年生に訪問授業を行いました。
- 高校1年生がエシカルブランドCLOUDYの商品開発を行いました。
中学校
- 中学3年生が南三陸ミシン工房(東日本大震災で被災した女性の自立を支援する団体)から教材を提供していただき、「がんばっぺしポーチ」を作りました。
- 中学1年生が附属高等学校の生徒からエシカル消費に関して教えて貰い、小原木Myタコちゃんプロジェクト(梅村マルティナFS気仙沼アトリエ)に取り組みました。

小学校
- 附属高校の1年生が小学校を訪問し、5年生との合同授業を行いました。はじめに高校の代表生徒が「チョコレートの秘密」というプレゼンテーションを行い、その話を受けて、小グループごとに、世界の児童労働の実態や、子どもたちが教育を受けられないことによる影響などについて対話をしました。

2018年度の報告 (社会科部会)
2018年度は、本学の岡田了祐先生(社会科教育学)を新たなメンバーに迎え、小学校3名、中学校2名、大学1名の6名でのスタートとなりました。昨年度までの社会的ジレンマ教材についての研究を継続しつつ、新たに次の視点を取り入れた連携研究を行いました。
① 小中の学習の連続性や発達段階を踏まえた社会科学習の在り方についての研究の視点(論争問題を中心に)
② 小学校の研究開発学校のテーマ新教科「てつがく」や、中学校の研究開発学校のテーマ新教科「コミュニケーション・デザイン(CD)科」と社会科の相互関係についての視点
例えば「てつがく」の自己評価に関する議論の中では、②の視点から、次のような議論や問題提起がなされました。
○小学校では、自己評価を重視しているが、中学校ではどうか。
→CD科でも評価規準(作品が伝わったか、どう判断するのか等)をつくり、自己評価している。評価の 客観性や妥当性をどう高めるかが課題である。
〇評価規準がどのようなものであるべきなのか。話し合っていく題材について、評価が変わるのか。
〇評価規準を子ども自身が作ることが学習の一環で、意義があるということに注目したい。
〇自己評価をすることの意義のうち、人間性・道徳性を養うのにどういう効果があるのかという点を考えていくべきである。
〇市民性を育む「てつがく」の授業において、どんな市民性が身につけばよいのだろうか。また、社会科で育てる市民性との違いはあるのか。
一方、論争的問題を通して政治的リテラシーを涵養する授業の在り方を議論した際には、主に①の視点から次のような議論が交わされました。
論争課題「救急車の有料化をするべきかどうか」
○ 子どもが「判断の規準」を練り上げる際に、事実やデータを基にした「判断の規準」からものごとの本質をとらえた「判断の規準」に至るよう深化させていくためには、どうすれば良いのだろうか。
○中学における「効率と公正」との関係は?救急車有料化問題を効率と公正で捉えさせるための授業づくりの可能性を考えると、有料化→効率 有料化しない→公正の視点から中学校でも授業化が可能であろう。また、地方自治、財政、公共サービスの学習の教材として取り入れられるのではないか。
○「有料化しない」ことを主張する時の小学生の論拠は何か。
→高齢者の人数の割合を資料として持ってくる子どもの姿があった。自ら資料を収集する活動につながる。
○小学校での学習を通して身に付けた「判断の規準」が、今後中学校や社会に出てからどのように使われていくかが大切である。成長の様子を継続して調査していきたい。
→これを受けて、附属小学校から附属中学校に進学した生徒が、中学校で記述したワークシートの分析も行った。
