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2020年
2020年度の取り組み エシカルラーニングラボ
高校
- スーパーグローバルハイスクール(S S H)学校設定科目必修家庭科「生活の科学」にて、サステイナブルを軸としながら身近な生活を科学的に捉える視点に着目した授業を行いました。 (詳細は高校H Pを参照ください)
- 児童労働とチョコレートについて調べた高校1年生が、附属小学校5年生に訪問授業を行いました。小学生から感想や質問のお便りが届き、高校生がお返事を送りました。
- エシカル消費について学んだ高校2年生が、3学期に附属中学校1年生にビデオレターを作成しました。中学生が春休みに考えたフィードバックを、高校3年生が4月の授業で受け取りました。
- 高校1年生全員が3学期の家庭総合の授業でエシカルブランドCLOUDYの商品開発を行いました。優秀作品3点が選ばれ、アフリカ・ガーナの、CLOUDYの工場で量産され、東京で販売予定です。本プロジェクトでは、現地で貧困層の女性や障がい者の方の雇用を生み、売り上げの一部がガーナの教育支援に使われます。
- メディア
>高校の葭内ありさ教諭が監修・講師を務めるNHK高校講座「家庭総合」の講義で、附属高校2年生がエシカルな服を製作する授業の様子が紹介されました。
>高校の葭内ありさ教諭が、朝日新聞「はなまる先生」で取材いただき、高校2年生のエシカル・ファッションの授業が紹介されました。
- 出版物
消費者庁のエシカル消費啓発リーフレットを高校の葭内ありさ教諭が監修しました。
葭内ありさ監修「みんなの未来にエシカル消費」 消費者庁 (2020年11月)
(お茶の水女子大学附属学校園 教材・論文データベースよりダウンロードできます)
中学校
- 中学3年生が南三陸ミシン工房(東日本大震災で被災した女性の自立を支援する団体)から教材を提供していただき、「がんばっぺしポーチ」を作りました。
- 中学校2年生が岩手県釜石市の工場で生産されている国産さばの缶詰(サヴァ缶)を使って、オリジナルレシピを考えました。被災地復興応援事業(東北復興応援 健康・栄養セミナー「ふれあいの赤いエプロンプロジェクト」)担当の栄養士の方にレシピを見ていただき、一部のレシピをお便りや動画サイトに紹介していただきました。
- 中学1年生が、附属高等学校の生徒からエシカル消費についてビデオレターで教えて貰い、自分たちにできるエシカルについて考えました。
小学校
- 附属小学校では、2016年度から、毎年、小学生と附属高校1年生の交流授業を行っています。初年度は、6年生と高校1年生との交流でしたが、次年度からは、5年生と高校1年生が交流しています。
- チョコレートの原料、カカオの生産の背景にある児童労働をテーマに、オンラインでの交流を行いました。代表の高校生が全体の前でプレゼンテーションを行った後、小学生から質問をしたり、高校生が答えたりして、共に考える時間をもちました。授業後には振り返りの手紙を交換しあいました。
給食
- 小学校では、家庭科の学習と関連させた給食を出しました。フェアトレードチョコレートを使った「ツイストチョコパン」(チョコレートコーティングパン)を取り入れました。
- 附属中学校や附属高校でも、小学校で使用した給食のおたより(パクパク通信)やパンのレシピが生徒に紹介されました。
左図:小学校のレシピです。
小学校、中学校、高校のMoodleに掲載しました。
※Moodleとは、大学、高校、中学、小学校、幼稚園が使用するオンライン学習支援システムです。
タグ: 2020年度 活動報告
2020年度活動報告(理科部会)
連携研究理科部会は、附属幼稚園長である理学部化学科教授1人、附属小学校3人・中学校3人・高等学校3人の理科教諭と、本学サイエンス&エデュケーションセンター(SEC)から5人、本学遺伝カウンセリングコースから1人、基幹研究員1人が集い、各校種の理科授業の実践報告、共通の教材開発、学会や研究会での発表、地域での活動等を行っています。また、理科部会のテーマ「探究力を育む“つなぐ”理科教育~ふしぎ発見・感動~」をもとに、児童・生徒の探究力育成に着目して、探究力を段階的に育成するための方法を模索しています。
1.各校におけるコロナ感染予防対策やコロナ禍での授業の具体的方法の情報交換
・プリント配布や回収の方法
・遠隔学習での課題配信や授業配信の方法
・おうち実験の具体例
・教室での実験の具体例
・理科室での実験の具体例
2.授業実践・活動報告
① 小学校
・2020年度公開研究会(2021年2月20日実施、オンライン)での研究テーマ説明、授業報告
*理科部協議会は1時間
草野:小学5年実践報告「ふりこの動き」、全体の会の運営担当(機器操作の担当)
田中:司会担当*サバティカル中
増田:小学4年実践報告「ものの温度と体積」、理科部理論編説明
里先生(お茶の水女子大学):共同研究者
寺本貴啓先生(國學院大學):コメンテーター
・「探究する空間」
社会情意的スキルとメタ認知スキルを育みながら、探究を続けていく子どもの育成を目指し、子どもを取り囲む環境である空間に着目し、「探究する空間」を研究テーマとした。子どもたちが理科の授業で探究活動をしている空間と言えば、教室であり実験観察室である。その空間には仲間や教師というヒトが存在し、さらに実験器具などのモノが存在し、そして自然の事物現象というコトが存在している。ヒト・モノ・コトが存在している空間である。この空間の中で子どもたちは思考を働かせて問題を見いだし、実験方法を考え、仲間と対話しながら問題解決を図っている。このような一連の学びは子どもを取り囲む「空間」で行われていると考える。どのような空間を目指すべきなのか、ヒト・モノ・コトが子どもに与える影響、子どもがヒト・モノ・コトに及ぼす影響などについて実践を通して研究していく。
② 中学校
・2020年度公開研究会の報告(2020年10月24日~web上で公開)
前川:中学1年 遠隔学習「生物の観察」
山本:中学2年 対面学習「気温が20℃も違うバレンタインデー」
薗部:中学3年 対面学習「電池の条件調べをおうち実験で」「イオン化傾向を教室実験で」
薗部:遠隔学習に関する教員(中学校)アンケート結果分析の報告
③ 高校
2020年度SSHの活動報告
・授業実践事例
「課題研究基礎」(学校設定科目,1年必修)
「課題研究Ⅰ【地球環境科学,生命科学,暮らしの化学】」(学校設定科目,2年必修)
・生徒活動事例
「生物基礎」(2年必修)(:第13回高校生バイオコン優勝、第14回バイオものコン優勝・社会貢献賞・審査員特別賞受賞
https://www.fz.ocha.ac.jp/fk/report/ssh/2020/d009421.html
④ 遺伝カウンセリングコース
ヒューマンライフイノベーション研究所で「Q&Aシリーズ」を作成。
附属高校2年「課題研究Ⅰ 生命科学」遺伝カウンセリングの講師を担当。
3.学会発表
2020年:日本理科教育学会第70回全国大会(岡山大会:誌上発表)
「学習指導要領に沿った海洋教育授業の開発と検討~第3学年『身の回りの生物』における海藻観察の導入~」
〇里浩彰、秋葉典人、千葉和義
2020年度:日本理科教育学会第70回全国大会(岡山大会:オンライン発表)
「カンボジアにおける理科教育支援 ボランティア活動を通しての高校生の視点から」.
〇佐々木康多、佐々木元子
2020年度:生物教育学会(オンライン発表)
「家庭学習を支援するだ液の消化実験キットの開発とオンライン授業支援」
〇里浩彰、川島紀子、貞光千春、竹下陽子、大崎章弘、榎戸三智子、千葉和義
2020年度:第8回全国海洋教育サミット(オンライン発表)
「コロナ禍における内陸地域での海洋教育実践支援 」
〇里 浩彰、 渡辺 友美
2020年度:日本科学教育学会 第44回年会(姫路大会、誌上発表)
「オンライン授業を助けるコンテンツ開発 『Google Earthで地層を観察しよう』」
〇貞光 千春,川島 紀子,竹下 陽子,里 浩彰,大崎 章弘,千葉 和義
2020年度:日本人類遺伝学会第65回大会(オンライン発表)
「日本とカンボジアの教科書分析による中等教育における遺伝教育の比較」
〇佐々木元子、村松みゆき、オルン・チャンポン、三宅秀彦
4.地域での活動
2020年度 夏休み子どもアカデミア 「マイ海藻カードを作ろう!」
実施日:2020.8.2
会場:お茶の水女子大学
対象:文京区在住の親子24組
指導者:里浩彰
タグ: 理科部会 活動報告
2020年度の報告(外国語活動・英語部会)
〇授業実践の発表
〈高校〉お互いを知るためのインタビュー動画づくりの取り組み~73 Q’sを参考に
〈中学校〉英語科における「探究」とは~遠隔学習、対面学習の両面から
〈小学校〉多言語にも触れながら行う英語コミュニケーション活動/初めての「評価」
〇評価について
・3観点について、それぞれをどのように見取り、評価するのか
・外国語における「学びに向かう力」とは
〇それぞれの教科観から連携の柱を探る
タグ: 外国語活動・英語
2020年度報告 (社会科部会)
2020年度も新たなメンバーを迎え、小学校3名、中学校2名、大学1名の6名で連携研究を進めました。、コロナ禍の影響で9月以降の開催となり、昨年度末に予定していた連携研究テーマに加え、「コロナ禍における実践知の共有」をテーマに、Web会議も取り入れながら少ない中でも充実した活動を行うことができました。2020年度の連携研究会の内容は、以下の通りです。
<今年度の主な連携研究テーマ>
◎ コロナ禍における実践知の共有
○ 附属小学校から進学してきた生徒がどのように社会科の力を深めているか。
○ 教室空間での他者とのやり取り(話し合い、議論)がどのように接続し変化しているか。
<日程と主な内容>
・ 9月 8日(火) 活動内容の検討、小中の情報交換
※中学校に寄贈された「インタラクティブ地球儀スフィア」の情報共有
・11月17日(火) 中学校の研究について討議~コロナ下での遠隔授業の実践・工夫について
・12月 1日(火) 部員の日本社会科教育学会での発表についての意見交換
・ 1月12日(火) 小学校の研究発表について討議
・ 3月 2日(火) 次年度に向けて(活動のまとめ)
※3月には、中学2年生の地理学習(中国・四国地方)の学習で生徒が作成した町おこし・村おこしプランの作品を社会科部会の教員全員で一緒に評価した。
タグ: 2020 連携研究 社会
子どもの心とからだの発達部会 2020年度報告
2020年度活動報告
今年度は、幼稚園2名、小学校1名、中学校1名、高等学校2名の計6名部会員で、5回の会合を持ちました。昨年度に引き続き、子どもの生活習慣の実態把握からコロナ禍における子どものメンタルヘルスについて着目し、研究を進めてきました。
幼稚園から高校まで、保護者ならびに子どもを対象として、発達段階に合わせて連続的な教育システムの開発を行っていく予定です。また、養護教諭による保健教育に限らず、保健体育科や社会、理科、家庭科等の関連教科との連携も考慮し、縦と横の広がりを意識したカリキュラム作りを目指したいと考えています。
活 動 内 容 | |
第1回 | 活動内容紹介及びメンバー顔合わせと研究計画 |
第2回 | 事例検討 |
第3回 | 高校の実践報告と検討 |
第4回 | 今後の方向性について検討 |
第5回 | 中学校、高校の実践報告と検討ならびに次年度に向けた課題 |
各回の詳細
【第2回】
子どものメンタルヘルスの支援について高校の事例から、自己肯定感の低い子どもへの支援、不安を抱えたときの対応などについて情報共有や教育的支援のアイディアを出し合った。
・これまでに実施している具体的な支援として、「マインドフルネス」、「リラクゼーション」「セルフコンパッション」がキーワードとして挙げられた。
【第3回】
Ⅰ 実践報告(高校体育の実践)
8月末の暑い時期に教室内でできる教材として作成した。
・自分のからだに意識を向ける。
・体の力を抜いてゆったりすることを自覚する
① コリトルボールをやってみよう:コリを感じるところが人によって異なる② 呼吸法:腹式呼吸の実践、ゆったりしている自分に気づく
③ 耳たぶあんま:自律神経を整える
授業を終えて
・生徒の感想から、予想以上にニーズがあることが分かった。
・呼吸法を取り入れていくことの大切さに気付くきっかけにはなった。
・日常の生活の中で継続的に取り入れられるようにするには、何が必要か?
Ⅱ 実践報告を受けて
1 子どもが日常的に実践できるようにするためにはどうしたらよいか?
・習慣づけるための工夫
朝の一定時間に行う、友達と一緒に実践する、授業の最後の1分間に行う。
・子どもが関心を持ちそうな言葉がけ
例えば、人気アニメのキャラクターの言葉「全集中の呼吸」を取り入れてみる。
・モチベーションを上げる
〇〇すると〇〇を得る(ご褒美型)
・意外性
リラックスして、「(授業中ではあるが)寝てもいいよ」
2 何を柱に経年的なものにつなげていくのか?
・「呼吸法」の原理的な理解(腹式呼吸と教式呼吸、情動呼吸と代謝呼吸など) と実践レベルの明確化を示す必要がある。
・マインドフルネスを導入し、こころをしなやかに鍛えていく
・保護者を巻き込んでの実践
保護者への啓発も大切
∗幼稚園の実践:保護者を対象とした「えがお育」の講演会
【第4回】
子どもの心の育て方として、発達段階ごとに柱になるものと一貫して実践していくものを明確にしていく作業が必要である。実践していく中で、子どもの反応を校種間で共有しながら改良していくことも大切である。メンタルヘルスの学習を行う際に、自分をどう支えるか、自分には起こらないかもしれないが、友だちに起こったときにどうすればよいのかという視点が必要である。さらに大人として成長する中で、これから生きるためのヒントになると良いと考える。
また、教材の一つとして「認知行動療法」を導入する際は、学校精神科医やスクールカウンセラーに相談することも必要である。
コロナ禍である今だからこそ「マインドフルネス」の実践が必要と共通認識のもと、継続的に学習の積み重ねが重要であるとの意見があり、次年度の予定を確認した。
小学校: マインドフルネス(6年生対象)の実践
高 校: 体育では、「体つくり」に組み込んで、保健では、労働と健康の単元でメンタルヘルスの学習を予定
小学校の実践など校種間の実践を見学しあうことやマンドフルネスの実践を進めていくうえで、その意義を伝え続けていくことも大切であることを確認した。
【第5回】
Ⅰ 第4回以降の実践報告
(1)中学校の実践報告
・ネガティブ感情を否定しやすい集団
・コロナ禍、また発達段階としてもストレスがたまりやすい状況(友達関係、親子関係、進路など)
① ネガティブ感情にも役割があること、あって当然であること
② 自分の「引き出し」に対処方法を増やしていく
③ マインドフルネスの紹介
(2)高校の実践報告
・労働によるストレスの軽減
・労働者のメンタルヘルスの向上のために何が必要か?
① 働くことと健康
② 労働者のメンタルヘルスの実態
③ メンタルヘルスの維持・向上のために必要なこと(ストレスマネジメント、マインドフルネス、病気への理解と精神医療への早期アクセス)
意見交換
・「たよること」が大切とあったが、どのポイントで頼るのか?「たよること」は難しい。
大切な人が心の不調を訴えたときなのか?「人とつながり話すこと」とあるが、頼るより気づくことが先なのか?
→授業では「たよる」は使っていない。「人〝財″を活用する」
自分の心の変化(ざわつく、そわそわする)に早めに気づくこと
対処の選択肢としての「つながる、話す」
・委員会、係の長になった人の例
メンバーに仕事を振ったり、お願いしたりすることができない
仲が良いように見えて、お願いできない関係なのか
「頼る」こととはどういうことなのか
「お願いする」⇔「お願いされる」Give and take のワーク
ひとには何かしら得意なことがある、自分の売りになるものを見つける
お願いできない人は「悪い」と思っている?
他者の反応を気にする
・本学附属の人の特性として
自分で行いたい、自分で仕事を手放せない
完成度の高いものを求める、やり始めたら大変になってしまう人もいる
附中出身の生徒が外部中出身の生徒に指示を出しにくい(指示を躊躇する)
・集団指導では適さない内容
甘えるのが下手な人
甘えられない人、頼ることができない人、お願いできない人
今年度の実践報告のまとめと次年度の計画
スパイラル的に実践することの意義として、社会経験や精神発達は個々で異なることから、段階的に学習する機会を作ることで、自分事としてとらえる時期が何れ来ることを期待する。
どのように考えても、思っても、考えても受け止め、認めてもらえる時間が提供されること、評価されない、自分をさらけ出せる、自由な時間、心を楽にして受け止めることができる時間の設定は大切である。(自己受容、他者受容)
幼稚園から高校までの実践を一覧表に示したい。その上で、内容の再検討、次の校種への授業内容の申し送りを行う。「柱」に従って、伝え方のポイントをまとめられると良い。
次年度初めまでの課題として、心の健康教育に関わる内容を挙げ(学級指導、学年指導なども含めて)、カリキュラムの一覧表作りを目指していくことを確認した。
参考文献等
「『レジリエンス』を育てる本」藤野 博 (監修), 日戸 由刈 (監修) 講談社 (2015)
「子どものためのマインドフルネス」キラ・ウィリー (著), アンニ・ベッツ (イラスト), 大前 泰彦 (翻訳) 創元社 (2018)
「10代のうちに知っておきたい 折れない心の作り方」水島広子著 紀伊國屋書店 (2014
「ルポ教育虐待 毒親と追いつめられる子どもたち(新書版)」おおたとしまさ著 ディスカヴァートゥエンティワン (2019)
「不安や悩みへの対処としての呼吸法」東京有明医療大学 学長 本間 生夫https://www.kobun.co.jp/Portals/0/resource/dataroom/magazine/dl/hoken97.pdf
「セルフケアの道具箱 ストレスと上手につきあう100のワーク」 伊藤絵美 晶文社(2020)
こころの健康副読本編集委員会編「中学校保健体育副読本『悩みは、がまんするしかないのかな』」https://psycience.com/pdf/kokorobookre.pdf
・参考APP「メイスーン」LAVA提供
2020年度活動報告 連携研究 自学・自主研究部会
幼稚園事例報告
幼稚園では昨年より教育目標の見直しを図り、新たに「子どもへの願い」として、以下の3つに整理した。
・自分のことを大切にする ・周りの人を大切にする ・環境を大切にする
目標に向かって、到達できたかどうかで子どもを評価するのではなく、一人ひとりの育ちの過程を大切にし、子どもと関わる教師や保護者が、子どもを中心につながりあい、支え合いながら、共に育ち合うことを目指したいと考えている。今年度は、感染拡大防止に伴い、園生活も例年通りにはいかないことが多かったが、そのような中でも、新しい情報発信システム(ムードル)やメール等を活用し、保護者の意見や質問を募るなどの対話的なやりとりを重ねてきた。
こうした取り組みを、今年度の子どもたちの園内での遊びや生活の様子を写真で伝えつつ、報告した。他校種のアドバイスや意見をもとに、さらに発達を見通しつつ、子どもの今をみつめ、子ども理解を深めていきたいと考えている。
小学校事例報告
子ども一人ひとりが自ら主体的に学ぶための学習のあり方を、「個の尊重」と「協働(協同)」の視点から探究し続けるという本校の「てつがく創造活動」の研究のもと、自学・えらぶにおいては、子ども個人の興味や好奇心に基づき、学び方を身に付け、探究心を養うこと、自分を見つけ、自分を育てることを大切にしたいと考えている。
第2学年では、しなくてはいけないことと自分がしたいことのバランスを取りながら計画を立てること、自分の好きを追究しながら自分や他者に出会うこと、個人の学びから学びが広がっていくことを根底に置いて活動している。その一例について記述を試みたものを報告し、子どもの見とり方や教師間での共有について検討した。
第6学年の自学では「自分の好きを伝えよう」と題し,独り善がりにならない自学を意識してジャンルごとに分かれて取り組んだ。3学期から一人一台PCを活用できるようになったこともあり、互いに触発し合いながら、まとめ方や伝え方など表現方法も工夫した。代表者発表会では4年生に来てもらい、他者(他学年)と関わる場面を設けることで,自分の探究をさらに深めていった。
中学校事例報告
総合的な学習の時間で行われている「自主研究」の3年間に渡るカリキュラムの流れについて紹介をした。 2020年から附属中学校では完全に一人一台の PC を活用できる体制になった。それによって、生徒の自主研究の探究のプロセスも大きく変わろうとしている。例えばインターネット等で安易に情報が集められる一方で、学校図書館の利用が減っているという課題がある。 情報機器やネット環境を活用した探究的な学習の支援について、どのように考え実践をしているか、また課題はどのようなところにあるか、他校種からのアドバイスも受けながら検討を進めた。
高等学校事例報告
附属高校は2019年度よりSSH(スーパーサイエンスハイスクール)に指定され、2年目にあたる。そのなかで、1年次の課題研究基礎を土台に実施される2年次の課題研究Ⅰについての事例を紹介した。附属校園出身の生徒が、これまでの学びを踏まえてどのような探究活動を行っているかなどの情報交換や、小中高の接続を今後どのように意識して高校での学びを深めていくかなどの課題について、意見交換した。