1.他校種のグループの先生方との情報交換
毎回の部会では、それぞれの園や学校での子どもたちの活動やようすについて、具体的な情報を交換することができた。特に、毎回の会合場所を幼稚園、中学校、高校で持ち回りにしたことで、学びの環境を直接知ることができ、それぞれの場所で生活する子どもたちのようすをイメージしやすくなった。
自分が好きなこと、不思議に思ったこと、興味を持ったことをとことん追究することは、お茶の水の附属校園全体に共通するものであることを再認識した。幼稚園の学びの中で、探究の種が植え付けられ、そして探究の芽があちらこちらで生まれること。小学校での自学を経て、それらの探究の芽が中学校の自主研究で育ち伸びていくこと。さらに、自分の好奇心が集約されて、高校では深い探究の姿勢を身につけていくこと。そして、それが大学へとつながっていくこと。このような一連の探究活動の段階を、部会での情報交換を重ねることで確認できた。
2.中学校での自主研究の本『自分の“好き”を探究しよう! お茶の水女子大学附属中学校「自主研究」のすすめ』の発行(2018年10月)
附属中学校で40年以上続けられてきている「自主研究」について、概要、これまでの歩み、研究の実際、指導の仕方、生徒の研究成果、Q&A等をまとめた本を発行することができた。生徒たちが自分の興味、関心のある好きなことをテーマに、3年間自分なりの方法で探究しまとめる自主研究の魅力が詰まった本である。
また、この本では、中学校だけでなく、自学・自主研究グループに所属していた幼稚園、小学校、高校、大学の先生方にも協力してもらい、コラムや原稿を執筆してもらった。
中学校の生徒や保護者はもちろんのこと、教員、特にこれから教員になろうとしている学生たちにとっても有意義な内容の本だと考えている。
詳しくは本学サイトと書店もご覧下さい。
『自分の“好き”を探究しよう! お茶の水女子大学附属中学校「自主研究」のすすめ』の目次
はじめに
Ⅰ 自主研究の魅力
Ⅱ 自主研究の3年間の流れ
Ⅲ 自主研究はどのように行われるか
自主研究のいろは「課題設定・課題追究・まとめ」
<コラム1>遊びを中心とした幼稚園生活
Ⅳ お茶太郎・お茶子の自主研究
1 本研究に入るまで
2 スパイラルな学び
3 さまざまな発表会の機会
<コラム2>「主体的・対話的で深い学び」としての自主学習
Ⅴ 進化し続ける自主研究
自主研究の歩み
自主研究を支え続けてきた同窓会(鏡影会)
<コラム3>「自主自律」と高等学校での実践例
Ⅵ 自主研究発表事例のいろいろ
グループ内発表
ポスターセッション
講堂発表
ビジュアル凝縮ポートフォリオ
自主研究集録
Ⅶ 将来につながる自主研究
―大学や社会で自主研究がいかに活かされているか
1 中学校における関心事や取り組んだこと
2 自主研究のテーマ
3 自主研究の学びが高校、大学、社会でどのように活かされているか
4 これまでの人生を振り返って附属学校の教育やそこでの体験など自分自身の人生や価値観に
どのように影響があると思うか
まとめ
<コラム4>好きなことを好きだと叫べる環境
<コラム5>自らに問うて
<コラム6>他者を認める
Ⅷ 自主研究 困ったときのQ&A
おわりに