事物を伝える表現方法の学び~お茶っ子事典をつくる~(小4)
2018年度掲載
実践の概要
- 『広告と説明書を読み比べよう』(東京書籍4年上)を読み、「広告」と「説明書」それぞれの特徴を捉える。「キャッチコピー」「レイアウト」といった用語の意味を知る。(1時間)
- 百科事典の使い方を紙芝居で学ぶ。(1時間)
- 図書コーナーへ行き、百科事典で自分が調べたいものを調べる。(1時間)
- 学校の百科事典を作るための見通しをもち、担当する項目を決める。(1時間)
- 担当する項目について取材をする。(2時間)
- 取材した内容をもとに、百科事典を作る。(3時間)
- 完成した百科事典を共有する。(1時間)
実践のポイント
- 小学校4年生 身近で興味がある者を、徹底して調べる経験の可能性がある。
- 事典らしさとは何か。あいうえお順なら、引くものとして事典の色が濃くなる。
この字はないよ。なにかないかなという動きも始まる。 - 事典自体を読んでみる。そこに、どんな書かれ方がしているか、最初に何をしめして、次に具体的説明がきて、などの書きぶりを学ぶことに意味がある。
- 文章のスタイルを確認し、説明の方法を意識してまねると、形がはっきりする。
リーディング・ワークショップの手法を用いて、説明文を確かに読む。(小5)
2018年掲載
説明文『「十秒」が命を守る』
実践の概要
リーディング・ワークショップの進め方
- 基礎知識の伝達・バックグラウンド・ナレッジ(接続する)
- 文章と出会う読み聞かせ・リードアラウド
- 文章の概要を捉える出来事チャート(読書ノート)
- 読解の鍵になるビッククエスチョン(グループ)
- グループによる話し合い(言葉への焦点化)
- それぞれの読みの共有(全体)
実践のポイント
言語活動を通した
- 参加を保証する手立て
- 享受 対話による新たな気づき
- 分有 それぞれの学びの実感
それを生み出す環境と、学びの過程の重視が、深い学ぶにつながる。
- まとめ方は、教師がサジェスチョンしている。
- 意見交流会からが、ワークショップ型。
- 何を明らかにするか、めあてをもって話し合いをしている。
- グループの中で共有し、代表グループが発表する。
- 自分たちがやってきたことと、代表グループの意見を使って一斉に確認したことは、そう大きくずれることはない。
- 物語文のように、グループ毎の意見が大きくずれることはない。
- 学び合う子どもの姿、具体的にどういう姿で表れていたか。
クラス替えしたばかり、グループ活動の中では緊張度が高かった。
リーディングワークショップの本は、「話す・聞く」の本なのか、と思う程。 - 問題を中心に、話し合いを進めた方が、やりやすい。ねらい・タイトル(学年)
読書を通して読みを広げる~『大造じいさんとがん』(小5)~
2019年度掲載
実践の概要
第0次 椋鳩十の作品を読み、感想を書きためておく。読んだ本を紹介し合う。
1.冬休みの課題 「椋鳩十ブックリスト」を作成する。
2.読んだ本の紹介 ビブリオバトルを行う。
第一次
1.『大造じいさんとがん』を読んで初発の感想を書き、扉ページを作成する。
2.初発の感想を共有しながら、物語のあらすじを確認し、「みんなのめあて」を決める。
3.初発の感想をもとに、他の作品と比べながら想像を広げて読み深める。
◆大造じいさんと残雪の人物像を捉える。
◆捉えた人物像を共有する。
◆大造じいさんの気持ちの変化を読み取る。
◆ほかの作品と比べて読む。
◆大造じいさんの気持ちの変化を読み取る。
◆椋鳩十の作品を読んで感じたことをまとめ、伝え合う。
実践のポイント
・年間を通して読書を大切にすることで「並行読書」を生かして読もうと子どもが意識できる。
・自分が読んだ本と比較したことを生かして考えることで、教科書教材をさらに読み深められる。
・学習のまとめとして作成した新聞やリーフレットの項目として「他の作品の紹介や比較」を入れた。
これは、子どもたち自身が考えた項目であり、読書への意識が広がっていることが分かる。
・読書を楽しめる大人になってほしい、という教師のねがいから授業を考えている。
・国語の授業に於いて、叙述に即して想像を広げながら読むことが大切である。並行読書を通してより深く登場人物の心情や作品の主題に迫ることができている。
ことばっておもしろい(小6)
2019年度掲載
実践の概要
1.これまでの学習を土台に、自分が興味をもっていることばを調べて、まとめる。
※授業時間だけでなく、家庭学習でも、自分のペースが調べていく。
2.プレゼンテーションのための資料を作る。
3.「ことば・おもしろバトル」をし、グループ代表の発表を決め、協力して改善する。
4.代表者の発表を聴き、ことばのおもしろさを見つけてまとめる。
実践のポイント
・1年の頃からの漢字学習が生かされている。漢字学習は、読み方(音読み、訓読み)、書き順、ことば集め、文作りをみんなでし、家庭学習でことばを集めたり、成り立ちや部首調べ、新聞や広告の切り抜きなど、自分の興味に合わせた漢字帳作り、という流れで行っている。
・「漢字には一つひとつ意味があり、他の漢字を足すと少し違う意味になり、熟語になると意味がより分かりやすく、意味がはっきり理解できると思った」という子どもの声から、本単元を組み立てた。
・「個人で調べる」⇒「プレゼン資料作り」⇒「ことば・おもしろバトル」⇒「代表プレゼン会」⇒「ことばってなに?」と授業が進み、一人で学ぶ時間とみんなで学ぶ時間が明確になっている。
・プレゼン資料作りの留意点を明確にしている。(聞き手を引き込む工夫・キーワードで示す・画用紙4枚まで)
・プレゼンを聞き手参加型にすることで、プレゼンテーションの工夫を子ども自身が考えられる。
物語の謎を見定め、読み解く ~「やまなし」(小6)~
2019年度掲載
実践の概要
1.宮沢賢治の人柄を考える。
2.『やまなし』を通読し、初発の感想を書く。
3.読み解くための観点を決め、観点ごとにグループを作る。
4.観点ごとのグループで『やまなし』を読み解く。
5.追求した内容を、学級全体で共有する。
6.学習のまとめ(最初に読んだ頃のこと・観点ごとの追求のこと・共有したこと・宮沢賢治作品の魅力など)として、新聞を作成する。
実践のポイント
・事前に宮沢賢治の人柄を考えることで、難教材といわれる『やまなし』を読み解く。
・観点を決めて、グループごとに追求することで、読みの方向性がはっきりする。観点は、「クラムボン」「やまなし」「やまなし(題名)」「五月と十二月」「表現の工夫」「登場人物」「宮沢賢治」である。
・観点ごとに追求している過程で、問いが生まれ、その問いを基として話し合うことができる。
・それぞれの観点ごとに、追求した内容を発表する。他のグループで追求したことが、自分のグループで考えていたことと重なることもあり、読みが深まる。
・既習の内容を生かして読む。本実践は3学期に行ったものであるが、2学期に読んだ『雪わたり』の読解が生かすことができる。(オノマトペの効果・宮沢賢治が伝えたかったこと)
低学年、昔話や神話を読む授業 ~2年生が昔話や神話に触れ、紹介する実践~
2020年度掲載
実践の概要
年間:子どものリクエストをもとにして、年間を通して読み聞かせを行う。(読み聞かせリクエスト)
1.知っている昔話の名前を発表する。
2.昔話の特徴を考える。
3.『いなばの白うさぎ』の読み聞かせを聞く。※アニマシオン作戦6「本と私」
4.自分の選んだ昔話・神話を読む。(「好きな」とすると、選べない子もいる。)
5.本を紹介するための観点を考える。
6.選んだ昔話を紹介するためのポスターを作る。
7.ダブルサークルで自分の読んだ本を紹介する。(本とポスターを使う。)
8.学習のふり返りをする。
実践のポイント
・本の読み聞かせを続けることで、本に興味をもち、自分から学校の図書コーナーや地域の図書館に行く子が増えた。
・「本の紹介をする」という明確な目的があることで、紹介するためにどんなことを話したらいいかを考えることができた。さらに、自分たちで紹介のための項目を考えることもできた。
項目は教師が示すことが多いが、子どもたち自身が考えることによって「自分たちで学びをつくりあげている。」という実感をもつことができる。
・「本の紹介」には、「話す・聞く」力が必要となる。日常行っているサークルでの対話と、本単元での紹介活動のつながりが見えにくい。領域や学習活動を問わず、音声言語による活動を意図的に取り入れていく必要がある。
2021年度掲載